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今日は晴天、ぼけ日和

認知症をオープンに 若いから 世の流れだから…でも、強要しないで

《介護士でマンガ家の、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》

そろそろ認知症ってこと、オープンにしたら?

私にそれを言うまでに、
あなたに熟慮があったのは
察している。

立っている人

たしかに世間は認知症に、
寛容になってきた。

でも私は、
不意に訪れる、
誰か一人の無理解が怖い。

差し出された手

世間の空気に押されて、
私の手を強く引きすぎないでほしい。

あなたの手が、目の前にある。

それこそが、私の道しるべ。

最近世の中に、
「認知症や障害をオープンにしよう」
という空気が広まっているように感じます。
ちょっとした流行りのように。

そのためか、
若年性認知症の当事者に、
マンガに取り上げたような声かけをする方がいます。

「認知症をオープンにしましょうよ」

これを誰かが、
高齢者に伝えているのを、
私は聞いたことがありません。

なのに若い当事者の方には……なのです。
若い、ということが、
周りになにかを期待させるのでしょうか。

私自身、発達障害を持っていることを、オープンにしています。
すぐに開示できたわけではなく、数年の右往左往の間は、
明るい面ばかりではありませんでした。

社会的な手続きで無理解に出くわした現実もあり、
症状を黙っておけばよかった、と悔やんだこともあったからです。

「多様性のある社会」は、
そのネーミングは明るく輝いてますが、
陰の面を隠しがちです。

だからこそ、流行りで終わらせないよう、
ゆっくりと共に歩みたいものです。

《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》

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