認知症をオープンに 若いから 世の流れだから…でも、強要しないで
《介護士でマンガ家の、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
![そろそろ認知症ってこと、オープンにしたら?](http://p.potaufeu.asahi.com/ff5b-p/picture/26251481/3c9ba9a9dabbca3c45a86208060635fc.jpg)
私にそれを言うまでに、
あなたに熟慮があったのは
察している。
![立っている人](http://p.potaufeu.asahi.com/24a3-p/picture/26251479/6ed89de560f37ceeb07aec1945e73c7d.jpg)
たしかに世間は認知症に、
寛容になってきた。
でも私は、
不意に訪れる、
誰か一人の無理解が怖い。
![差し出された手](http://p.potaufeu.asahi.com/8cf4-p/picture/26251480/ddcbc5c2c606229f6f8bf31068531828.jpg)
世間の空気に押されて、
私の手を強く引きすぎないでほしい。
あなたの手が、目の前にある。
それこそが、私の道しるべ。
最近世の中に、
「認知症や障害をオープンにしよう」
という空気が広まっているように感じます。
ちょっとした流行りのように。
そのためか、
若年性認知症の当事者に、
マンガに取り上げたような声かけをする方がいます。
「認知症をオープンにしましょうよ」
これを誰かが、
高齢者に伝えているのを、
私は聞いたことがありません。
なのに若い当事者の方には……なのです。
若い、ということが、
周りになにかを期待させるのでしょうか。
私自身、発達障害を持っていることを、オープンにしています。
すぐに開示できたわけではなく、数年の右往左往の間は、
明るい面ばかりではありませんでした。
社会的な手続きで無理解に出くわした現実もあり、
症状を黙っておけばよかった、と悔やんだこともあったからです。
「多様性のある社会」は、
そのネーミングは明るく輝いてますが、
陰の面を隠しがちです。
だからこそ、流行りで終わらせないよう、
ゆっくりと共に歩みたいものです。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
![](http://p.potaufeu.asahi.com/nakamaaru/img/nakamaaru450_450.gif)