最後の最後まで幸せが待っている 認知症も介護も知った人から笑顔に
《介護福祉士でイラストレーターの、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
こわいな。
認知症も、介護も、知りたくない。
——知らなければ、そう思ってしまうもの。
でも、本当は、そんなことないんだよ。
認知症を深めた人や、
介護を経験した人の多くが、
やさしい顔をしているのは、なぜ？
「人のいのちの輝きは、
最後まで失われないと知って、
安心したから」
——いつか誰かが、そう話していたよ。
いのちは手から手へ、
つながれてきた。
最後の最後まで、私たちには
幸せが、待っているんだよ。
「いつか介護をすることになったら、どうしよう」
「認知症になったら、どうしよう」
世の中には、まるで
「介護や認知症が始まったら、それで終わり」
と言わんばかりの情報があふれています。
けれど私は、悲嘆よりも、
「介護は大変だったけれど、携われて本当によかった」
「認知症になってつらいこともあるけれど、なる以前よりも豊かになった」
そんな言葉を、実際にこの耳で聞いてきました。
そして私自身、若いうちから
認知症のある方の介護に携わらせていただけたことを、
幸運だったと感じています。
私たちは、介護や認知症という、
簡単には答えの出ない問いに向き合わされるとき、
人が生きる核心に近づけるのかもしれません。
そして、知った人から次の世代へ——。
いのちの温（ぬく）もりは、
きっと手渡されていくのではないでしょうか。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
