コロナで親の介護保険申請ができない!どうすれば?【お悩み相談室】
構成/中寺暁子
地域包括支援センターで高齢者の相談に応じている山口明子さんが、認知症の様々な悩みに答えます。
Q.地方で一人暮らしをしている母(79歳)は初期の認知症です。介護保険サービスの申請をしたいのですが、新型コロナウイルスの感染状況により、なかなか帰省できません。代わりに申請をしてもらえるようなサービスはありますか?(49歳・男性)
A.介護保険サービスを受けるには、要介護認定などの申請が必要です。申請は基本的には、本人の意思で本人が申請するものですが、家族が代わりに申請することもできます。さらに相談者のように家族が申請することも難しい場合は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者に代行を依頼できます。代行してもらうことに対しての費用はかかりません。
代行するスタッフは、申請にあたって直接本人と会うことになります。私も地域包括支援センターのスタッフとして、代行を担当したことがありますが、ご本人の自宅を訪問した際に、本人が何も知らされていなくて混乱された、というケースがありました。お母さんには、要介護認定を申請することの了解を得たうえで、スタッフが自宅を訪問することを事前に伝えてほしいと思います。訪問日時を事前に伝えても、忘れてしまうかもしれないので、当日の朝にも伝えておくと安心です。
市区町村によっては、間に代行をはさまずに、申請窓口と直接電話でやりとりし、書類を郵送するなどして申請できることもあります。一度、要介護認定の申請窓口に確認してみましょう。
申請後は主治医の意見書が必要になりますが、主治医への依頼は、市区町村の担当者が行うのが一般的なので、代行は必要ありません。ただし一部の市区町村では申請方法が異なる場合があるので、念のため申請窓口または地域包括支援センターで確認したほうがいいでしょう。
お母さんは一人暮らしということなので、早めに介護保険サービスの利用を始めたいですよね。お母さんがお住まいの地域包括センターや市区町村の窓口で相談してみてください。
【まとめ】一人暮らしの母が認知症なので介護保険サービスの申請をしたいが、遠方に住んでいるので申請できない
- 地域包括支援センターや居宅介護支援事業者に代行を依頼する
- 遠方に住んでいても、市区町村の要介護認定申請窓口と直接やりとりして、代行なしで申請できる場合もある