未婚で子なし 認知症になってもひとりで生きていこうと思える町
《介護士でマンガ家の、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
ご近所に「認知症がある人もない人も、気軽に集まれる場所」ができた。
喜ぶ私に、お隣さんは…
「認知症になったら、この暮らしは続けられない。絶対に認知症になりたくない!」
私と同じく、独り身のお隣さんは、
認知症への不安と偏見でいっぱい。
軽すぎるかもしれない、私の返答。
でも最期までひとり、
暮らし続けた方々が見守っているから。
未婚で子供もいない私が「認知症になっても、独居で暮らしてゆこう」と希望を持てるのは、地域で尽力されている介護士さんや福祉職の方々のお陰です。
私が訪問介護員をしていたときも、地域の方々に支えられ、認知症になっても最期までひとりで暮らし続けている方々を見てきました。
老いや認知症への不安は、介護サービスを支える方々の存在を身近に知ると、だいぶ軽くなるはずです。
今回、マンガで取り上げた「認知症があってもなくても、集まれる場所」が近所にできた時、私は手放しで喜びました。
その新設はつまり、一般の私でも福祉関係者や認知症当事者の方々と、気軽につながれる場の誕生でもあるからです。
つながる、とは与えあうことです。
訪れる方は、認知症を持つ人と共に関わる人の暮らしを、肌で教えてもらえるでしょうし、
なにか自分も分かちあえることはないか、と見つけることができるかもしれません。
認知症は他人ごとではなく、自分ごとです。
どなたの未来にも、あるかもしれない道すじです。
今、各地にできている、認知症カフェや関連の場所を、認知症がある方だけのものと他人ごとにせず、
ご自身の場所にしてみませんか?
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》