井戸端会議は横に並んでニューノーマル どっこい生き抜く春の気配
《介護士でマンガ家の、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
2021年、これが新しい
井戸端会議のカタチ。
横並び一列の
ソーシャルディスタンス。
遠くの家族と、
会えない寂しさ。
でも、心の距離を埋める電話は、
前よりずっと
回数が増えました。
変わりゆく暮らしにも
いつだって見つける、希望。
また、祝福の春がやってきます。
先の見えない世の中に、
ため息をつきながら歩いていたら、
高齢の方々が、大きな声で、
横並びの井戸端会議をしていました。
その数、実際は五人。
その明るさに、私のため息は
笑顔に変わりました。
思えば、私の世代より
はるかに感染の不安と
隣り合わせの皆さまです。
それでも
戦争や時代の危機にも
どっこい生き抜いてきた方々は、
今日の健やかな過ごし方を
その身で教えてくださいます。
そろそろ、
冬ごもりの生きもの達が目覚め、
山も私たちに笑います。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》