若き日のあなたが、真っ白だった僕に大切な思い出を書き込んだ。そしていま
《介護士でマンガ家の、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
![高2の夏休み一人で京都へ行ったが、父に怒られ帰宅した](http://p.potaufeu.asahi.com/9b87-p/picture/21557566/f389aaaa87018443e01e305be35a2fab.jpg)
また僕を開いてくれましたね。僕は一冊のノート。僕には、あなたの好きな花、苦手な食べ物、大切な思い出…なんだって書いてありますよ。
![思い出の場所は銀閣寺](http://p.potaufeu.asahi.com/b073-p/picture/21557564/169b833dc683c062b52a3c6603722593.jpg)
だって、僕を書いたのはあなた。認知症になる前の、若き日のあなた。真っ白だった僕を、あなたはエンディングノートにしてくれた。
![ノートを手渡す若い手とノートを受け取る歳を重ねた手](http://p.potaufeu.asahi.com/63ce-p/picture/21557565/cb6053cde0ff3252ecef5c049bf69582.jpg)
若いあなたの手から、今のあなたへ僕は託された。僕を生かしてくれて、ありがとう。あなたがあなたを忘れても、僕がずっと覚えているよ。
一般に「エンディングノート」とは、高齢の方が人生の締めくくりに、ご自身の希望などを記録しておくもので「終活ノート」とも呼ばれます。
作り方は多様で、書店やインターネットでも簡単に調べられます。
私は機会があり、このエンディングノートを 作ったことがあります。
その際、このノートは自分が認知症になった時にも頼りになるな、と感じました。
例えば、もし認知症で、自分らしさを見失いそうになった時、この一冊が自分への勇気づけにもなってくれるでしょう。
そしてなによりエンディングノート制作で、自身の締めくくりを思うことは、私自身、 日々のかけがえのなさに気づく体験となりました。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
![](http://p.potaufeu.asahi.com/nakamaaru/img/nakamaaru450_450.gif)