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コロナ対応でスタッフ多忙、グループホームの父も不安定に【お悩み相談室】

窓にあてられた両手

看護師の石橋さつきさんが、介護・支援活動を生かして、認知症の様々な悩みに答えます。

Q.父(85歳)は認知症で、グループホームに入居しています。先日スタッフから最近父がスタッフやほかの入居者に対して暴言を吐き、夜間にうろうろするので、病院で薬の相談をしてはどうかと言われました。私が以前面会に行ったときの様子では、コロナの影響からかスタッフがバタバタして落ち着かず、明らかに人員不足で私は不安を感じたので、父も不安を感じて症状が悪化しているのではないかと思うのです。薬をどうこうするよりも、環境を改善してほしいと思いますが、迷惑をかけていると思うと言い出せません。(56歳・男性)

A.相談者が指摘している通りなのだろうと思います。施設では感染対策を徹底させるため、スタッフの業務が増えているばかりか、少しでも体調が悪かったり、濃厚接触者になったりすると休まなくてはならず、人員が不足します。こうした状況がお父さんの精神的負担になり、BPSD(行動・心理症状)が悪化していることは十分に考えられます。この環境が変わらなければ、薬を変えたり量を増やしたりしても効果は期待できないかもしれません。

今は外部の人の出入りをストップしている施設が多いので、第三者の目が少ないない状況です。通常、施設には、面会にくる家族や介護のボランティアスタッフ、実習生など、外部の人の出入りがあるものなのです。第三者の目というのは、スタッフにとって抑止力になります。余裕がない状況で、スタッフがつい利用者に対して命令口調になってしまったり、イライラをぶつけてしまったりすることは起こりうることです。そしてそれを振り返って反省することもできない状況かもしれません。

「迷惑をかけているので言い出せません」とのことですが、相談者の気づきは、スタッフにとって自分たちを振り返り、対応を見直すきっかけになると思うのです。お父さんが暴言を吐いたり、夜間にうろうろしたりするのは、何かきっかけがあったはずです。「誰に対して、どんな状況で暴言を吐きますか?」「暴言を吐く前後はどんな様子でしたか?」「どんなときにうろうろしますか?」など詳しく聞いてみてください。こうした質問を受けることによって、スタッフは改めてお父さんの様子を観察したり、自分たちの言動を振り返ったりして、環境を改善することにつながると思います。

施設に入居していたとしても、家族の代わりは誰にもできません。今は面会ができない状況かもしれませんが、テレビ電話などでコミュニケーションをとることで、お父さんのストレスを少しでも和らげられるといいですね。

【まとめ】施設のスタッフがバタバタして人員不足。入居している父のBPSDが悪化しているときには?

  • 第三者の施設に対する指摘は、自分たちを振り返る機会になるので、遠慮せずに伝える。
  • お父さんがどんなときに誰に対して暴言を吐くのかなど、施設のスタッフに質問して、自分たちの言動やお父さんの様子を振り返ってもらう

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