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コロナで帰省できず、認知症で一人暮らしの母が心配【お悩み相談室】

看護師の石橋さつきさんが、介護・支援活動を生かして、認知症の様々な悩みに答えます。

Q.母(85歳)は認知症ですが、介護保険のサービスを受けながら地方で一人暮らしをしています。サポートのため、2カ月に1回程度帰省していたのですが、新型コロナウイルスの感染者が出ていない地域なので、今も帰省しにくい状況です。ケアマネジャーがこまめに連絡をくれますし、チームで見守ってくれているようですが、任せっきりでいいのか、心配です(50歳・男性)

A.コロナ禍でこうしたご相談をよく受けるようになりました。年末年始の帰省も悩まれる方が多いのではないでしょうか。特に遠方に住むご家族が認知症の場合、自分のことを忘れられてしまうのではないかという心配もありますよね。

こうした状況の中、テレビ電話などでお互いに顔を見ながらコミュニケーションをとる方法が一般的になってきました。すでに利用されているかもしれませんが、お母さんだけではなく、ケアマネジャーをはじめ訪問介護もしくは通所介護のスタッフなど、お母さんを見守ってくれているチームの人たちとテレビ電話で話す機会があるといいですね。どんな人たちがお母さんを見守ってくれているのか、顔を見て確認できると、心配が軽減されるのではないかと思います。

介護保険の要介護者が更新認定を受けた際や区分変更の認定を受けた際は、「サービス担当者会議」といって、本人のほか、家族、ケアマネジャーなど介護にかかわるメンバーが集まる会議が開催されます。こうした会議にもテレビ電話などで参加できるといいですね。具体的な相談や要望があれば、リモート会議を開いてもらえるようにケアマネジャーに依頼してみてはいかがでしょうか。

介護保険サービスのほかにも自治体では、専任スタッフが定期的に訪問してくれるなど、さまざまな見守りサービスを実施しています。自治体によってサービスは異なるので、お母さんがお住まいの市区町村のサービスを調べて、申請するのもおすすめです。できるだけたくさんの人が関わるほうが、ご本人も安心するのではないかと思います。

実は私自身も遠方で母が一人暮らしをしていて、月に1回は帰省していたのです。けれども新型コロナウイルスが流行してから、行ったり来たりできなくなってしまいました。そこで、介護休業を申請し、利用可能な日数である93日間をまるまる使って、帰省しました。県外から来たということで、最初は訪問診療の医師や看護師に防護服を着てもらうなどの対応をとってもらわなければならず、迷惑をかけることにはなってしまいましたが、思い切って介護休業を使ってよかったと思っています。帰省中に介護にかかわるスタッフと信頼関係ができると思うので、自宅に戻ることになっても安心してお母さんを任せられるのではないでしょうか。お仕事によっては難しい面もあるかもしれませんが、一つの選択肢として検討してみてください。

離れて暮らしていると心配が完全になくなることはないと思いますが、さまざまなサービスを利用して、少しでも安心できるといいですね。

【まとめ】コロナの影響で帰省できず、1人で暮らす認知症の母が心配なときには? 

  • お母さんだけではなく、ケアマネジャーなど介護にかかわるスタッフとテレビ電話などで顔を見てコミュニケーションをとる
  • 自治体の見守りサービスを利用する
  • 介護休業を利用する

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