京都で出会い、夢かなう 前編
こんにちは、若年性認知症当事者のさとうみきです。
今回は、わたしと京都に住んでいらっしゃるご本人さんたちとの出会い、女子旅のことをつづらせていただきたいと思います。
まずはその素敵な友だち・雅子さんとの出会いからです。
出会いは、2021年の秋。活動パートナーの堀田聰子さんと一緒に京都旅に出かけた際に企画された講演会のときでした。
いま雅子さんが通っていらっしゃる社会福祉法人・健光園の高齢者施設で、当時施設長をしていらした岩佐さんが、「わたし(さとうみき)が来るから」と、ご病気をされ、認知症の診断から間もない雅子さんを連れてきてくださったのでした。
はじめてお会いした時は、まだ元気もなく、うつむき加減で、笑顔を見ることも少なく、とても気になる存在の仲間でもありました。
その京都の滞在中、次の日もお会いすることがかない、LINEの交換もいたしました。
それからは、時折LINEでお互いの近況をやり取りするようになりました。〝一期一会〟だけではなく、つながり続けることの大切さをとても感じていて、“一会にしないように”心がけています。
3月から健光園の皆さんと聰子さんで調整をはじめていただき、4月には雅子さんとわたし、健光園の方々、聰子さんでオンラインによる会話を楽しむなどする機会を得て、そのあとは雅子さんとLINEでも相談を重ね、お互いの夢であった〝女子旅〟を実現することがかないました。
わたしにとっては、首の手術後はじめての遠出でもあり、
これを機会にいよいよ活動も本格的にスタートしよう! そんなGW明けの始まりでした。
町なかの温泉宿で、雅子さんとわたし、岩佐さん、聰子さんの4人で1泊するにあたって、雅子さんはリハーサルもしたというケーキを焼いて持ってきてくれました。
キラキラと、瞳はまっすぐ前を向いており、2021年、わたしが初めて出会ったときにうつむき加減だった彼女はもういませんでした。
実は、はじめてそう感じたのは、去年12月のこと。
私が出版した本に写真で登場してくださったお礼を兼ねて、大阪での講演会のあと、京都駅で待ち合わせをし、直接“できたてほやほやの本”をお渡ししたときでした。
※このときのお話は、「生きた教育」で読むことができます。
その時から、表情の変化は、本当に感じていたことです。
しっかりと目を大きく開き、上を向き、ご自身の歩みで進んでいらっしゃいました。
雅子さんのまわりには、常に彼女と共に、彼女のことを思って伴走してくださる方の存在が大きくあったのであろうと確信しています。