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京都で出会い、夢かなう 後編

右から堀田さん、雅子さん、岩佐さん。記念撮影した一枚です
右から堀田さん、雅子さん、岩佐さん。記念撮影した一枚です

こんにちは、若年性認知症当事者のさとうみきです。
今回は、京都に住んでいらっしゃる素敵な友だち・雅子さんとの出会いと女子旅の後編です。

※前編は、こちらから読むことができます。

雅子さんは、以前は美容師さんとして働いていました。
「いつか誰かの髪を切ってみたい…」

彼女の長年培ってきた美容師としての腕。
また美容師として髪を切りたい。 

そんな想いがかなったことを知る日が、突然やってきました。
そのときのこと、想いを忘れられません。

活動パートナーの堀田聰子さんとオンライン中のことでした。
携帯電話にたくさんの通知が届き、ふと目線を下げ、確認してみると

そこには、雅子さんが、自身が通っている社会福祉法人・健光園の職員さんの髪の毛を切っている姿の写真が映し出されていました。 

LINEには
「わたし、また髪を切ることができました!」
そんな言葉が添えられていました。

美容師であった彼女にとって、ひとの髪の毛を切るということは、特別なことだったはずです。 

本当に、彼女や全国のご本人さんを通して、わたしこそ気づきとエネルギーを分けてもらっています。何も特別なことはありません。

そして、最初に出会うひと、最初に出会う場所が、ご本人さんにとって、大切な道しるべになるのだと、改めて感じております。

まだまだこのようにサポートしてもらう機会がなく、ご自宅にこもってしまっているご本人、そしてご家族もたくさんいるでしょう。

ぎゅっとハグした写真を撮りたかったのですが、わたしの長身が邪魔して、目線を揃えての撮影となりました
ぎゅっとハグした写真を撮りたかったのですが、わたしの長身が邪魔して、目線を揃えての撮影となりました

今回の京都女子旅では、本当に私たちの夢が一歩かないました。
京都の健光園の皆さまと聰子さんが、雅子さんとわたしの“夢”のために、さまざまなことを考えて調整してくださいましたが、一番にはご家族のご理解に感謝申し上げます。

これから私たちだけではなく、もっとたくさんの仲間たちとともに、周囲のご協力を得て、全国のご本人さんとご家族の“夢”の実現も視野に入れていければ——。

そして、認知症になってもまだまだ新たなお友だちができ、出会いがあるということを何かカタチにできればと、一歩一歩、前進していきたいと思います。

認知症のある私たちにしかわからない感覚を大切に、
誰もがあきらめることのない社会の実現を願って、時間はかかっても何か仲間とともにカタチにできればと思っています。

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