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4年ぶりの同窓会の雰囲気

いつも優しく声をかけてくださる、女優と看護師として毎日忙しくされている北原佐和子さん(右)、富士宮市役所の稲垣康次さん(中央)。次ぎは、お天気の時にゆっくりと遊びにいかせてください
いつも優しく声をかけてくださる、女優と看護師として毎日忙しくされている北原佐和子さん(右)、富士宮市役所の稲垣康次さん(中央)。次ぎは、お天気の時にゆっくりと遊びにいかせてください

こんにちは、若年性認知症当事者のさとうみきです。
今回は静岡県富士宮市で3月26日に開催された、
Dシリーズ(全日本認知症ソフトボール大会)に足を運んだ時のことをお伝えしようと思います。
コロナ禍のために近年は3年連続中止となっていたので、4年ぶりの開催でした。

当初はDAYS BLG! はちおうじ代表の守谷卓也さんが、
首の手術後ずっと自宅に閉じこもってしまっていた、わたしの体調を気にかけて下さり、
息子に声をかけていただき、メンバーさんと一緒に伺う予定でした。

しかし退院後の長距離の移動自体に体力的に自信がなかったことなどから、
みなさんの楽しい場で迷惑をかけてしまったら台無しにしてしまうのでは…と、
数日前にお断りをしていました。

しかし前日の夜になると…。
みなさんのFacebookで続々と、各地から富士宮市に向かう様子を目にしては、
わたしまでが、富士宮市に向かっているかのようにわくわくと心躍る感覚にとらわれました。
また会いたい! はじめましてだけど…、お会いしてみたい!

わたしは、どなたかに事前に申し込みが必要なのか…などと考え、
前日の皆さまの投稿のやり取りから、富士宮市役所の稲垣康次さんに一報入れさせていただきました。

すると、「体調次第で、ぜひお越しください」とのお返事。
そんな風に体調を最優先に考えて下さる方がいらっしゃる安心感。

正直なところ、その時のわたしの体調、体力に自信はあまりない中でしたが、
寝る前に一応、荷物等の整理をしておこうと思いました。
そして、いつでも出かけられるように、リビングに荷物をセットして就寝しました。

これは、認知症と診断をされてから、自分なりの工夫の一つです。
出かける直前になると、
何を着ていったらいいのか…
何を持っていったらいいのか…
とあたふたとしてしまうためです。
翌朝の出発が早かったので、前日の夜のうちに洋服も全て準備しておきました。

そんな思いが自分自身を奮い立たせたのでしょうか。
目覚ましをかけた30分前に、自然と目が覚めるとともに、ゆっくりと準備ができました。

しかし、残念なことに前日からの雨のため、当日はソフトボールの試合は中止となってしまいました。
急きょ、富士宮市のみなさまが“交流会”の開催の準備をしてくださっている情報もFacebookで確認した上で、仕事が休みだった夫の運転で会場に向かいました。

到着までは、
Uターンして帰宅してしまうかもしれない…
そんな不安の中で、誰にも連絡できずに、車中を過ごしました。

 兵庫県たつの市・龍野城下町「ユニバーサルツーリズム」で、ご一緒させていただいている、丸尾とし子さん。私が首に巻いているスカーフは、術後に丸尾さんからプレゼントしていただいたものです
兵庫県たつの市・龍野城下町「ユニバーサルツーリズム」で、ご一緒させていただいている、丸尾とし子さん。私が首に巻いているスカーフは、術後に丸尾さんからプレゼントしていただいたものです

富士宮市に到着し、夫が車を止めた駐車場の横は
偶然にも前日も色々と伺っていた、兵庫県の丸尾とし子さん(NPO法人播磨オレンジパートナー代表理事)たちでした。

お互いの車が停車したのを確認し、
大きく手を振って再会を喜び、丸尾さんも「涙が出そう…」と、
わたしを抱きしめてくださった後、
足早にみんながいる会場に向かいました。

最初は、座った場所が端っこだったので、逆側から声をかけてくださる皆さんの方向を向く時には、首をぐるぐると回し、まるでロボットのようになっていました。
途中からは、自分の足で歩いていき、みなさまにご挨拶と交流をさせていただきました。

たくさんの方が、
「いつもFacebookの投稿を見てますよー、大丈夫ですか?」
と、そんなふうにうれしい声をかけていただくのですが、わたしはお顔とお名前が一致せずに…。
「ごめんなさ〜い」とおわびすることが何度かありました。
冷たい風が吹く、雨の中ではありましたが、
笑顔があふれる、まるで“同窓会”のような空間でした。

最初、なぜか、わたしに“八王子代表として”(本当は、守谷さんだと思うのですが…)マイクがまわってきたので、ひと言ごあいさつをさせていただきました。
知っている皆さんや初めましての皆さん、仲間たちの前で、
久しぶりにあいさつをさせていただくことは、とてもとても緊張しました。

会場では、富士宮市の皆さまが、富士宮やきそばを振る舞ってくださいました。懐かしく美味しい味!ごちそうさまでした
会場では、富士宮市の皆さまが、富士宮やきそばを振る舞ってくださいました。懐かしく美味しい味!ごちそうさまでした

もっともっと積極的に皆さんとお話がしたいと思いながらも、
どんどん雨脚も強くなり、遠方からバスなどで来ているみなさんがお帰りになるころになると、私自身の体も少し冷えている感覚がありました。

帰りの体力を温存し、帰宅した方がいいのかもと…。少し早めに、家路につくこととしました。
別れ際には、「来年はグラウンドで活躍する皆さんをスタンドで応援します!」
といった言葉を交わしました。

事前の準備から、当日の運営までを担ってくださった
富士宮市の皆さまには本当に感謝申し上げます。
そして会場で、温かく声をかけてくださった皆さまもありがとうございました。

来年こそはスタンドから声援を送らせていただけることを祈って、
今から、“心の中にてるてる坊主”を作ります。
♪てるてる坊主てる坊主、来年、天気にしておくれ~♪

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