ひまわり支援ストラップ
こんにちは、若年性認知症当事者のさとうみきです。
コロナの終息がなかなか見えない中でも、
感染対策を取りながら、少しずつ日常生活が戻りつつあるように感じます。
出張や旅の機会も増えていくのではないでしょうか。
昨年、空港でのユニバーサルデザインに関する委員会に参画する機会がありました。
そこで知った空港介助サービスを利用した経験を、以前、この連載で「沖縄ひとり旅&講演会 前編 後編」としてつづりました。
さらに、沖縄へのひとり旅での出会いがきっかけで、
羽田空港で3月から9月末までのトライアルとして配布される「ひまわり支援ストラップ」に関する研修に、講師としてお招きいただきました。
※羽田空港でのひまわり支援ストラップの配布場所の情報はこちらをご覧ください。
4月、対面とオンラインのハイブリッド形式の研修で、各地の空港職員の方々などに向けてお話をさせて頂きました。
まず、ひまわり支援ストラップについて、説明しておきます。
外見から障害や病気の有無が分かりづらい方は、
周囲の理解を得ることが難しいという課題があります。
ひまわり支援ストラップは、この課題を少しでも解決するためのもので、
ストラップを着用することで、支援や配慮を必要とする場合があることを周囲に知らせ、
空港職員の方々が速やかに支援する環境を整備することを目指すものです。
こうした取り組みは、ヨーロッパ、米国といった海外の空港を中心に活動が広がっています。同様の取り組みが日本でも進められようとしているのです。
研修でお伝えしたのは、
認知症の診断を受けても、趣味である旅行やふるさとへの帰省を諦めて欲しくない、
という思い。
ちょっと苦手だと感じる手続きや移動の際に、
ちょっと気にかけてサポートしていただけたら、
認知症当事者もご家族も安心して、空港をスムーズに利用し
「空の旅」を諦めずに続けられるということ。
そうしたことの大切さをお話ししました。
また、認知症当事者の立場から感じる課題と、
「認知症になっても何もかもすぐに出来なくなるのではない!」
ということを、先ずは一歩一歩、みなさまにお伝えしてきました。
以下は、わたしの個人的な感想となりますが、
現状の紅白のヘルプマークは「受動的」に感じられます。
一方で、ひまわり支援ストラップは「能動的」に感じられます。
苦手意識があったり、不安を感じたりするシーン(場面)でも、
自分の意思で、このストラップを首から下げることで、
目にはわかりにくい障がいがある方や認知症のわたしたちのことも、
空港スタッフが気にかけ、積極的に声かけをして下さるようになります。
そして、ストラップを首から下げていることで、
荷物に付けるのとは違って、体から離れることもありません。
男女年齢問わずおしゃれで、
目に付きやすい絵柄のストラップです。
そして、空港まで行くには、家族に自家用車で連れていってもらう方もいれば、
リムジンバスや公共交通機関の利用が必要な方々もいます。
ですから各交通機関へも周知がなされ、
多くの一般のみなさまにも知っていただけたら、
障害や病気があっても、自分の意思で旅をすることができるようになるのではないかと期待しております。
わたしは、ひまわり支援ストラップがトライアルの配布期間を終了した後、
全ての空港で、配布されるようになることを願っております。