沖縄ひとり旅&講演会 前編
こんにちは、若年性認知症当事者のさとうみきです。
わたしは昨年より、空港でのユニバーサルデザインに関する委員会に参画させて頂いております。今回は、そこで知った情報を、沖縄講演ひとり旅で活用したことをお伝えします。
ユニバーサルデザインとは、年齢や障がいの有無などにかかわらず、誰もが利用しやすいデザインやサービスのことです。
きっかけは、2020年に東京都内で行われた講演会でした。
DAYS BLG!はちおうじのメンバーさんらとともに私も登壇したのですが、
会場にたまたま、ユニバーサルデザインの委員会に関わる方が来場してくださっていたのです。
その後、電車やバスなどの公共交通機関の不便さや、
逆に良いところについて、認知症当事者のメンバーとともに、
オンラインで数回の意見交換会をしました。
そして、2021年6月に伊丹空港でのユニバーサルデザイン委員会に、認知症当事者として参加し、意見を言う機会をいただきました。
とても興味深く、大切な役割だと思いました。
さらに、昨年11月には、羽田空港のユニバーサルデザインに関する委員会にも参加しました。
今までは、目に見えやすい障がい(身体障がいや視覚障がいなど)をお持ちの方が主だったようですが、今回、認知症当事者としての初めて参画させていただきました。
その委員会で知ったサービスが、羽田空港のビルを運営する東京国際空港ターミナル株式会社が行っている「介助サービス」です。
各航空会社のサービスは知っておりましたが、空港ビルの運営会社によるサービスは初めて知りました。
何か気づきがあるかも知れないと、昨年12月上旬、講演のために沖縄へ行く機会を使って、利用しました。
事前に電話で予約する際に、若年性認知症であることを伝えました。
そして、どんな介助が必要か、
リムジンバスの時間、搭乗時間などを伝えます。
わたしの事前の相談は…
- ダウンコートをロッカーに預けたい
- 買いたいお土産屋さんが早朝から営業しているか
- 航空会社のチェックインなどがセルフサービスなのでサポートして頂きたい
そんなことをリクエストしました。
出発当日、予定より1本早いリムジンバスに乗ったことを電話で伝えると、
バス会社と連携して、降車場でスタッフが待っていて下さいました。
この時点でのサービスは空港ビルの運営会社の介助サービスです。
スタッフの方は、ダウンコートを預けるためのロッカーを、
到着ロビー階で目印となるような分かりやすい場所で、一緒に探して下さり、
メモにロッカー番号などを記録して、手渡して下さいました。
そして、リクエストしていたお土産屋さんでお土産を購入し、スーツケースに詰めると
利用する航空会社カウンターで、航空会社の介助サービスにバトンタッチ。
事前に航空会社にも連絡を入れてあったため
スムーズなバトンタッチでした。
搭乗口から機内に搭乗する時のことです。
以前、子どもが小さい頃、発達障害であることを伝えると、優先レーンを使わせていただいたことがありました。
優先レーンの存在は知っていたので、その方々と一緒の搭乗時間かと思いきや、
それより前に、落ち着いた状況で座席までの案内をして下さいました。
認知症当事者になってから、
人混みで冷静な判断ができずに混乱してしまうわたしにとって、
スムーズに座席に着席できたことは、安心につながりました。
また、わたしがお手洗いを利用して、座席に戻ろうと辺りを見渡した瞬間、
客室乗務員の方がさりげなく、わたしの座席の近くに立って手で「こちらです」と合図をして下さいました。
そのさりげなさが、
他のお客様には気づかれることもなく、更なる安心感に涙があふれそうになりました。
そして、沖縄那覇空港に到着し、担当の客室乗務員の方と現地のスタッフが交代。
慌てて御礼を伝えました。
荷物が出てくる場所までも、現地スタッフの方が、ご一緒してくださり、
無事に待ち合わせ場所まで到着しました!
初日は講演会のため、そのまま会場へ。
沖縄講演会、出会い、再会は次へと続きます。