介護施設で、あるある探検隊♪

コンビの間に透明シート ツッコミ不可でも新境地 あるある探検隊の活動報告43

「あるある探検隊」のリズムネタで一世風靡したお笑いコンビ・レギュラーの松本くんと西川くんは、いま全国の介護施設をまわって、お年寄りたちを笑顔にする活動をしています。ところがここ数ヶ月、世界的に蔓延する新型コロナウイルスの影響で、思うように活動ができません。そんななか、在宅介護をおこなう家族をサポートするイベントに、オンラインで登場するチャンスが!
介護イベントにはこれまでも数多く参加してきたレギュラーの2人ですが、完全オンラインは初めての経験。介護レクリエーションの新たな可能性を感じさせる、そのイベントの模様をお伝えします。

オンラインイベントに参加中のレギュラーの2人
写真は毎回、レギュラー公式マネジャーがスマホで撮影した「渾身」の1枚です!

「今日は、介護に精通しているレギュラーのおふたりにも来ていただいています!」

「いえいえ、ぼくたち別に介護に“精通”はしてないですよ! 今日は、ぼくらも学んでいきたいと思っています!」

ここは6月13日に開かれた、在宅介護をサポートするためのケア技法を学ぶイベント会場。題して「今日からできる! 優しさを伝えるケア技法」。レギュラーの2人にとって、世の中で新型コロナウイルスによる外出自粛が広がって以来、久々の介護イベントだ。

とはいえ、現場にいるのは出演者と中継スタッフのみという“無観客”状態。レギュラーの2人がいる東京と、同じく介護の活動をする後輩芸人コンビ「span!(スパン)」がいる大阪を中継で結んでユーチューブでライブ配信する無料オンラインイベントである(実際のYou tube映像はこちら)。

画面の向こうにいるのは、在宅介護をしている家族たち。コロナ自粛のなかで孤立しがちな彼らを対象に、フランス生まれのケア技法「ユマニチュード」や、ケア技法を家で実践できるアプリ「CareWiz(ケアウィズ)」を紹介しながら、一緒に身体を動かして学んでいこうという試みだ。

万全のコロナ対策をしたオンラインイベントは、2人の登場からこんな具合だった。
「あるある探検隊! あるある探検隊! どうもー、レギュラーで~す! ぐぅ~」
まずは西川くんが白目をむいて鼻を鳴らす定番ネタ「気絶」を繰り出す横で、松本くんが2人の間の透明シートを指さしながら、さっそくコロナ対策をネタにする。
「ソーシャル・ディスターンス! はい、決まりました!」

「ちょっと、ちょっと、ちゃんと『気絶した!』と言うてよ」
「いやあ、ぼくもネタにいきたいんやけど、これ(透明シート)があったらできへんやんか」
「いつもだったら、(あるある探検隊と言いながら)松本くんがぼくの肩に手を乗せる動きがあるんですけどね」
「ほら! 西川くん、寄りすぎ! ソーシャル・ディスターンス!」
「きびしい~!」

ネット配信とはいえ、態勢は本格的。主催するIT企業「エクサウィザーズ」の大会議室をスタジオに仕立て、撮影スタッフ、音声スタッフ10数人と機材がズラリ。大阪にいるスパンと常時、回線をつないで、画面上でかけあいもできるし、視聴者の反応もユーチューブのコメント欄を通じてリアルタイムで会場にフィードバックされる。

レギュラーの2人にとって、これからのオンライン介護レクリエーションの可能性を探る、いい機会になったのだった。

西川くん ほんま、楽しいイベントやったな。こんなに2人で声を出したのは、3月のラジオ以来やない?

松本くん ほんま、久々だったわ。吉本興業の劇場も、4月の緊急事態宣言から休止していたのが619日にようやく再開されたけど、お客さんを入れるのはまだ週末だけ。ソーシャル・ディスタンスで客席も大幅に減らしているし、まだまだ通常モードじゃないからな。

西川くん その意味で、今回みたいなオンラインイベントの可能性は、ものすごく感じるわ。特に、今回の在宅介護の人たちのように、なかなか外に出られない人が参加できるというメリットも大きいし、これからもどんどん増えていくんやろうね。

松本くん リアルタイムの視聴者数は約250人、家族で見ていたらもっといたってことやからな。今回、視聴者からのリアクションはユーチューブ上のコメントだけだったけど、将来的にはビデオ会議システムの「Zoom(ズーム)」とかを使って、観客の顔が見える完全双方向のイベントなんかも出てくるやろうね。

西川くん ただ、オンラインはやってみるとわかるけど、メリット・デメリットがあるやろ。芸人のみんなが言ってるけど、やっぱり「間(ま)」がね……。ネットの向こうの相手と呼吸を合わせるのが難しいから、どうしてもカブってしまう(同時に発言してしまう)のが悩ましいところやね。

松本くん 会社の在宅勤務とかでZoom会議をやっていても、よくあるやろ。同時に発言してしまって、「どうぞどうぞ」「いや、どうぞどうぞ」みたいな。相手にも悪いし、テンポも悪い。今回も大阪の会場にいる後輩芸人のスパンと何度かカブってしまったわ。一方で、僕らがユマニチュードの認定インストラクターから教わって、それをスパンの2人がツッコむという形は、観客がいるみたいで、ものすごくやりやすかった。

西川くん 僕らの介護レクのよさって、やっぱりお客さんを巻き込むことやろ。オンラインになると、それができないんじゃないかっていう不安があったけど、この先、双方向の配信がうまくできれば、それはそれで違うスタイルの介護レクリエーションができるかも、という希望が見えてきたね。

松本くん あと、いままで僕らが介護レクをやってきたのは介護施設だけ。在宅介護のみなさんに向けた活動は初めてやったからね。ほんま、家で介護している家族の人たちは、情報収集でイベントとかに行きたくても、なかなか家を出られないもの。同じ介護する人同士がつながるのも大変。だから、閉鎖された家のなかで誰にも相談できない人たちにとって、オンラインはものすごく画期的だと思ったな。僕らにとっても、在宅介護の人たちへのアプローチを一歩踏み出せた感じがしたわ。

西川くん そやね。リモートだから、いつもの触れ合うレクリエーションはできないけど、ほかの形の楽しみ方は不可能ではないなという手応えがあったね。

松本くん たとえば、僕らがカメラの前に立って、回線をつないだ先の施設や在宅介護のご家庭で、スタッフさんやご家族が、中継レポーターみたいな役を買って出てくれるのが理想やね。「すみません、そこで手をあげている白い服の利用者さんに聞いてみてもらえますか?」みたいにな。

西川くん 施設と施設をつないで、みんなで盛り上がれるような形になったら、もっとええな。とにかく、やりようによっては、いままでよりもっと多くの人に見てもらえることもわかって、可能性は感じた。介護業界にも、「オンライン」とか「アプリ」とか「AI(人工知能)」とかが当たり前の時代が来たってことや。

松本くん 実際、いつになったら以前のように劇場で公演をしたり、施設で介護レクをしたりできるようになるのか、まだぜんぜん見えへんからな。僕らも、新しい可能性に向けていろいろ研究しないといかん。「レギュラー2.0」や。

西川くん いまコロナ自粛のなかでレクリエーションを待っている施設のおじいちゃんやおばあちゃんとか、在宅介護の家族さんとかに、こういうオンラインイベントが普通に届く世の中になるととうれしいな。

松本くん 今回は初めてで慣れないところもあったけど、3回やればコツはつかめる。だから、あと2! オンラインイベントのMCの発注、ドシドシお待ちしてま~す!

西川くん 松本くん、それはたしかにアルな!

「コロナ禍を生きぬく~認知症とともに」 の一覧へ

あわせて読みたい

この記事をシェアする

この連載について