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プロが教える自宅ハンドトリートメント 効果的マッサージでリラックス

新型コロナウィルスの深刻化でデイサービスなどに出かけられず、自宅にこもりがちな方も多いのではないでしょうか。そこで、家で気軽に気分転換ができ、いろいろな効果も期待できる「ハンドトリートメント」の方法を、ネイリストの資格をもつ、なかまぁる編集部員Yがお伝えします。動画と写真と併せてご覧ください。

自宅で出来る「ハンドトリートメント」

手にはたくさんの神経があり、リラックス効果大

――まずは、ハンドトリートメントの全体的な効果について教えてください

大まかに3点あります。一つ目は「血行の促進」です。手や指にたまっている余分な水分や老廃物を流し、指先まで血液を行き渡らせることで、末端の冷えを解消して、全身の血行をよくします。これは、健康的な爪の育成にもつながります。

二つ目は「リラックス効果」です。手はたくさんの神経があります。手と手が触れ合うことで精神的にリラックスするのはもちろん、安心感が生まれ、穏やかな気持ちで会話を楽しむこともできます。部分的に少し痛みを感じる箇所もありますが、そこを集中的にもみほぐすことで心地よくなり、疲労感が和らぎます。相手が「気持ちいい」と感じられるところをもみほぐしてあげてください。

三つ目は「むくみの緩和」です。身体を動かさないと、体内循環が低下してむくみやすくなったり、筋肉が硬くなったりします。トリートメントをすることで自然と筋肉が動き、循環を促すことで、むくみを緩和することができます。座っていることが多い人は、意識して手や指だけでも動かすようにしましょう。

――1日の中で、トリートメントをするのにお勧めの時間帯はありますか? また、クリームを使用しながらトリートメントをした方がいいでしょうか?

一番のお勧めは、疲れを感じているときです。もしくは、入浴後や、就寝前など。トリートメントをすると気持ちが落ち着つき、体も温まるので、寝つきがよくなります。

使用しなくても問題ないですが、もし自宅にハンドクリーム、ボディクリーム、オイルなどがあったら、ぜひ、使ってみてください。適量を手にとり、軽く温めてから相手の手になじませると、手肌がなめらかになりトリートメントがしやすくなります。相手も気持ちいいと感じるはずです。

トリートメント後、すぐに手を洗ってしまうと、せっかく塗ったクリームやオイルが水に流れてしまいます。たとえば、朝は身支度を終えてから、日中は手を洗った後、夜は寝る前など、水に触れないタイミングに行うと、クリームやオイルが浸透してしっかり保湿されるのでお勧めです。

クリームを選ぶ基準は「自分が(相手が)気に入ったもの」

――どのようなクリームを使用するのがお勧めですか?

クリームには様々な種類があるので、触った感じや、香りなどから自分や相手が気に入ったものを選ぶのが一番です。

ハンドクリームの場合、質感が硬めのものと柔らかめのものがあります。伸びがいい方がトリートメントをしやすいので、柔らかめの方をお勧めします。

オイルの場合は、植物タイプのものが適しています。例えば、グレープシード、ひまわり、アボカド、ホホバなどは匂いにクセがなく、肌への浸透がいいのが特徴です。ビタミンなどの栄養素も含まれているので、健康的な皮膚を作る際にも役立ちます。好みのアロマオイルを混ぜて使うのがお勧めです。

さらに、手肌の乾燥が気になるときは、肌表面にも水分補給をしてください。まず手に水分を含ませ、その上にクリームなどの油分で「ふた」をすると、保湿効果が高まります。手を洗った直後や、スプレーなどで手に水をかけてから、もしくは化粧水やローションをつけた後がいいですね。

手を全体的に包み込むことからスタート

――ハンドトリートメントをする際の順序はありますか? 方法とポイントを教えてください

まずは、両手で相手の手を包むようになでながら、全体的に優しくトリートメントをしましょう。先にお伝えしたように、手にはたくさんの神経があります。とても敏感なので、手を急につかんだりせず、できるだけ両手を密着させながら、ゆったりと進めることでリラックスできます。

家でできるハンドトリートメントの画像(クリームをのばすイメージ)
(左)クリームやローション、オイルなどを手にとり、手のひらで温めます(右)相手の手全体になじませ、手を包むようにトリートメントをします(写真提供/NPO法人・日本ネイリスト協会)

なじんできたら、指を1本ずつトリートメントして血流を促し、指の間も圧迫します。特に、人差し指と親指の間の付け根は硬くなっていることが多いので、しっかりほぐしてください。次に、手のひら全体もほぐします。手の持ち方や指の使い方などは、やりやすい方法で大丈夫です。

家でできるハンドトリートメントの画像(各指のイメージ)
(左)①指の根元から指先に向かって、細かく円を描きます(右)②指の根元から指先に向けて引っ張ります③爪の根元と側面を圧迫し、刺激を与えます(写真提供/NPO法人・日本ネイリスト協会)
家でできるハンドトリートメントの画像(指の間と手のひらのイメージ)
(左)指の間も圧迫します(右)手のひらの親指の根元と小指の根元を圧迫しながら、全体をほぐします(写真提供/NPO法人・日本ネイリスト協会)

続いて、手首を回転させ、指全体のストレッチを終えると、指先だけでなく体もじんわりと温かくなってきますよ。

家でできるハンドトリートメントの画像(手首と指をストレッチするイメージ)
(左)相手の手首を下からしっかりと支え、右と左にそれぞれ数回ずつ回転させます(右)手の甲全体で、相手の指を相手側に倒すように全体をストレッチします(写真提供/NPO法人・日本ネイリスト協会)

仕上げに、最初の動きと同様、両手で相手の手を包むようになでて温めたあと、蒸しタオルを使って余分な油分を拭き取ります。蒸しタオルの蒸気と熱が、保湿効果とリラックス効果をさらに高めてくれます。タオルを水で濡らして固く絞り、電子レンジで1分ほど加熱すると熱々の蒸しタオルができますので、あらかじめ準備しておきましょう。トリートメントが終わるころには適温になっています。

家でできるハンドトリートメントの画像(仕上げと蒸しタオルのイメージ)
(左)手を包むようになでて、指先へと抜けていきます(右)蒸しタオルで包み、軽く圧迫したあと、指先や指の間の余分な油分を拭き取ります(写真提供/NPO法人・日本ネイリスト協会)

両手のトリートメントをする場合、通常は7、8分ほどかかります。時間がない場合などは、部分的にもみほぐすだけでも十分です。

簡単に始められるハンドトリートメントで、家にいながら、心と体のケアをしてみてはいかがでしょうか。

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