認知症とともにあるウェブメディア

今日は晴天、ぼけ日和

買い占められないトイレットペーパーがある。小さな親切がつなぐ地域

《介護士でマンガ家の、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》

世間からぽつんと取り残された男性のイメージ

こうなっては誰も、自分になど気を留めないと思っていた。なのに……

「こう、青空だと気分もよくなりますな」「あ、はぁ・・・」

今まで挨拶もしなかった隣の家族が、話しかけてくるようになった。それだけで、こんなに気持ちが晴れるとは。

「最近、一個売りも始めたんです。買いそびれた高齢の方でもちゃんと買えるように」そっと変わりゆく人たち。

誰かのちょっとした優しさに、すくわれながら。

「同じ階に、一人暮らしのおばあちゃんがいるのを知ってたから、郵便受けに大丈夫ですか?と電話番号を書いたメモをいれておいたら、喜ばれた。」

「うちの店はお客さんに高齢者が多い。最近、トイレットペーパーの売り切れが続いたから、高齢者用に別売を用意したんだけど、それは誰も買い占めない。」

これは、この1ヶ月、私の住む都内の地域で実際にあった話です。
なんだか聞いてる私の方が、勇気づけられました。

誰もが大変な時期ですから、他人のことまで思える時期じゃないと、心苦しくなる方もいらっしゃるかもしれません。

でも今、どの世代よりも不安を抱えているだろう高齢の方々には、ちょっとした挨拶でも安心の種になるのです。

《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》

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