トゲのある言葉をあなたにぶつけてしまう 私はいつまでたっても子ども
《介護施設で働く漫画家、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
私はぼけたあなたに、刺のある言葉をぶつけてしまう。
昔から、礼ひとつ言わない私を、あなたはどう思っているんだろうか。
あなたはずっと、あなたのまま。
「るせーな、何度聞くんだよ」
「いい加減にして」
「いっそ、いなくなってほしい…」
老いていく親へ、そんなたぐいの言葉をぶつけてしまうことがあります。
親はいつまでたっても親、と言われますが、
子どもだって親の前では、いつまでたっても子ども。
そう思えば私自身の未熟ささえ、愛しく思えてくるから不思議です。
老いていく親と共に、私たち子どもも、
最後まで成長してゆくのでしょう。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》