筆にしたためた願いは天へ 今年もますます善きお顔で届け「ぼけ日和」
《介護施設で働く漫画家、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
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ここぞとばかりに願いをこめて、新春開眼。
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書き初めの墨の匂いが立ちのぼり、皆さまの願いも天へ届く。
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笑門福来。今年もますます、善きお顔。
ぼけ。
現在、福祉の現場では差別的な意味合いがあるとして、
「ぼけ」とは呼ばず「認知症」と呼ぶのがほとんどです。
それでも「ぼけ」という日本語の響きが持つ、おおらかな可笑しみ、温かみには、
人の心をなぐさめる何かがあるようです。
「うちのばあちゃん、ぼけちゃってね」
そんな、当たり前の日常にある、
「ぼけ」という呼び方は、
ぼけてもぼけたなりに、
自分らしい生活を見つけられるような、
希望さえ感じます。
今年もはじまりました、ぼけ日和。
ぼけを通じて、皆さまと天晴れな生き方を、
共有できたら幸いです。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
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