心が爆発しそうなときは、まず逃げて。大丈夫、あなたはとても人間らしい
《介護施設で働く漫画家、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》

なにが原因なのか分からない。いつからか、あなたに手をあげたくなる私がいる。

爆発しそうな気持ちが湧いてきたら、真っ白になる前に、私はあなたから逃げる。考えるのは、後でいい。

私はとっても、人間らしい人間。
高齢者への虐待は、絶対に許されるものではありません。
けれど、ストレスを抱えた介護者が、
被介護者に、手を上げてしまいそうになったり、大声を浴びせてしまいそうなる「心情」を誰が責められるでしょうか。
実際、私もその心情には覚えがあるし、
悲しいかな、暴力の現場に居合わせたことが何度かあります。
完璧じゃない私たちは誰だって、
虐待の加害者になる可能性があるのです。
だからこそ、もし、
自分自身が手をあげてしまいそうになった時。
一秒でも早く、相手がいるその場から立ち去ってほしい。
トイレにこもって叫んでもいいし、
コンビニまで走ってもいい。
相手から逃げることです。
衝動的なその気持ちが収まるまで、どうかあなたの心を、あなた自身が守ってあげてください。
そして、一息ついたら、ケアマネジャーでも家族でも友達でもいい、
その人間らしい気持ちを身近な誰かに話して、抜け道に出逢ってほしい、と心より願っています。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
