認知症とともにあるウェブメディア

今日は晴天、ぼけ日和

「外で待ってるよ」息子介護と母のトイレ。不安おさえて焦らずに

《介護施設で働く漫画家、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》

『お母さん、転倒しないかな』『この前、便座に変な姿勢で座ってたし・・・』『男の俺に覗かれても嫌だろうし・・・』

松子さんと公男さんは、母子二人暮らし。
認知症が進んだ松子さんは、最近トイレの失敗が増えてきた。

「お母さん、近くにいるからね」

本当はトイレ内で、松子さんを見守りたい、公男さん。けれど不安をおさえて、声かけから始めている。

深い付き合いだからこそ、ちょっとずつ、近づいてゆく。

知りすぎている家族だからこそ。

家族間での、肌の接触のある介護(排泄や入浴など)は、他人が行うよりも難しいと私は感じます。

どの家族にも、程度の差はあれ、その内々で培ってきた、濃い人間関係があるからです。

体への接触は、望む望まないに関わらず、生の心を触れ合わせることです。

一筋縄ではいかない家族だからこそ、身体介護において、「触れづらい」「触られたくない」
という感覚がでてきても、当然と思います。

だからこそ、公男さんと松子さんのように、距離をもって介護関係を築いていくことは、
お互いに、ほどよい心の余裕をつくり出してくれます。

《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》

前回の作品を見る

あわせて読みたい

この記事をシェアする

この連載について

認知症とともにあるウェブメディア