若年性認知症は30代でもなる?チェックするには 専門家がアドバイス
Q. 物忘れがひどく、認知症かもしれないと疑っています。病院へ行ったほうがいいですか?(33歳女性・会社員)
A.医療機関を受診し、原因を調べるよう勧めます。もの忘れは、病気ではない加齢現象として現れることもあります。質問者のように30代の場合、加齢現象ではなく、何らかの理由によって物忘れを招いていると考えられます。
また「認知症」というのは、認知機能の障害によって社会生活が困難になる症状や状態の総称です。よく知られているアルツハイマー病が「=認知症」だと捉えられがちですが、アルツハイマー病は認知症の原因疾患の一つに過ぎません。認知症の症状が現れる病気は他にもたくさんあり、水頭症や硬膜下血腫のように、手術などの治療をすれば症状が改善される病気も含まれています。以前、相談に来られた30代の方の物忘れの原因は、甲状腺の病気によるものでした。
早い段階で医療機関を受診して原因を調べれば、前述したように治療で解決できる場合もありますし、アルツハイマー病のような進行性(変性性)の認知症だったとしても、早い段階で対応を考え、今後の自分の生き方を決めることができます。
症状が進行して意思表示できなくなってからでは、周囲の人たちが決めるしか方法がありません。自分が望まないことを選択されることも多いでしょう。また、周囲の人も悩みます。
正確な診断を付けるには、認知症専門医がいてCT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)といった脳の画像検査もできる医療機関を受診するのが理想的です。しかしそうなると比較的大きな病院になるので、予約が取りづらいことも。また緊急ややむを得ない場合を除いて大病院(特定機能病院・一般病床500床以上の地域医療支援病院)で、紹介状なしで初診を受ける場合は5,000円以上の費用(選定療養費)を、診療費とは別に自己負担しなければなりません。
まずはかかりつけ医に相談してください。かかりつけ医がいない場合でも、自宅や職場近くの内科、精神科のクリニックを受診して、大きな病院に紹介状を書いてもらうほうがスムーズです。
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