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「みんなで悪口を言っている」と近所の人をにらむ認知症の夫【お悩み相談室】

腹をたてるひと、Getty Images
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認知症介護指導者の椎名淳一さんが、認知症の様々な悩みに答えます。

Q.私は足が悪く、夫(80代)は認知症です。ご近所さんたちにもそのことを話してあり、ゴミ出しを手伝ってもらうなど、親切にしてもらっています。にも関わらず、夫が「みんなでうちの悪口を言っている」などと言ってご近所さんをにらみつけるので、困ります(70代・女性)

A.まず前提として、ご近所の方たちに認知症の人への理解があり、本当によかったですね。せっかく親切にしてもらっているのに、夫がにらみつけて申し訳ないというお気持ち、よくわかります。しかし、夫が被害妄想を抱いたり、ご近所さんをにらみつけたりするのは、認知機能の低下によるものです。

例えばご近所さんたちが数人集まって立ち話をしているところに、たまたま夫が通りかかって、挨拶をされたとします。記憶力や判断力の低下があると「よく知らない人たちがこちらを見て何かを言っている」と捉え、それが悪口ではないかと疑ってしまうことがあります。ご近所さんとのこれまでの関係性がわからないために、その瞬間の相手の表情だけで判断するので、誤解が生じやすくなるのです。

実際には何が原因で夫がご近所さんを誤解しているのかはわからないので、夫の態度を変えようとするのは難しいと思います。それよりも、認知機能の低下による誤解のために、夫の態度が悪くなっていることを、相談者からご近所さんに説明するのはいかがでしょうか。

大変な役目かもしれませんが、夫の状況をご近所さんたちに知っておいてもらうことは、今後の関係性においても大事なことですし、地域の方たちの認知症への理解が進むことにもつながるはずです。

天気がよくて相談者の足の調子がいい日には夫婦で近隣を散歩して、ご近所さんに会ったら、ぜひ軽く会話をかわすようにしてほしいと思います。ご近所さんたちと親しげに話す妻の姿を見ているうちに、夫の誤解も次第に薄れていくかもしれません。

【まとめ】認知症の夫が親切な近所の人たちを「みんなでうちの悪口を言っている」とにらみつけるときには?

  • 夫の誤解は認知機能の低下によるもので、夫の態度を変えるのは難しいことを理解する
  • 近所の人たちに、夫は認知機能の低下があるために、誤解が生じて態度が悪くなっていることを説明する
  • 夫といるときに近所の人たちと会ったら、軽く会話をするように意識する

 

 

≪お悩みの内容については、介護現場の声を聞きながらなかまぁる編集部でつくりました≫

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