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今日は晴天、ぼけ日和

楽しいイベントでも、認知症の脳には強烈な疲労感 休憩の場が必要です

《介護士でマンガ家の、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》

花束を受け取るひと

今日は友達が、私の誕生会を開いてくれた。

認知症があって、
気分がふさぎがちな私を
思いやってくれる優しい人たち。

温かな涙がこぼれた。 

——こんなに幸せな気持ちだったのに。

赤信号の前に立つひと

興奮は、私から集中力をうばった。

普段なら忘れもしない、
「赤信号=止まれ」の意味が、ぼやける。

興奮が残る体は、むやみに
道路に飛び出そうとする。

全身が、なにかに乗っ取られたよう。

ソファに座るひと

こんな時は、家路につく前に
ひとりクールダウン。

「大丈夫だよ、ゆっくりで」

みんなの優しさが詰まった、
花束のささやきに守られながら。

認知症があると、疲れやすいというのは、
最近よく知られてきた情報です。

ただ、その疲労は、
後でゆっくり休んでもらえばいい、
という類いのものではありません。

その時々のご本人の判断力や行動さえも左右しかねない、
強烈な疲労です。 

ときにそれは、
心身に危険をおよぼしかねないのですから、
周りは配慮が必要です。

気心の知れた友人知人とのおしゃべり、
素敵な音楽、楽しい催し。

たとえ、ご本人に明るい影響があるものでも、
脳に負荷がかかることには違いありません。

だからこそ、クールダウンや休憩が
当事者さんの心身に不可欠ということは、
周りが十分に心得ておく必要があります。

気安い仲であるほど、
「疲れたな」と言いづらい当事者さんもいるかもしれません。

そして周りや社会に
当事者さんのご苦労の理解が広がるほど、 

町にクールダウンスペースをつくることや、
優先席の必要性がより高まっていくことでしょう。

《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》

前回の作品を見る

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