認知症とともにあるウェブメディア

お悩み相談室

1日おきの実家通い 食事作りなのに夫は不満そうです【お悩み相談室】

買い物帰りのひと、Getty Images
Getty Images

介護支援専門員の須原智子さんが、認知症の様々な悩みに答えます。

Q.私の家から電車で30分ほどのところに両親が住んでいます。母が認知症になり、日中はデイサービスに行っています。父は家事が得意ではなく、私が1日おきくらいに夕食を届けつつ、家事をしてきます。夫はそれが不満のようで、帰りが遅くなると機嫌が悪くなります(55歳・女性)

A.1日おきに電車で30分かけて実家に行くのは、大変なことだと思います。もしかしたら夫は相談者の帰りが遅くなったことだけで、機嫌が悪くなっているわけではないのかもしれません。例えば相談者が実家から自宅に戻ると疲れ切った様子で、そうした姿を見て夫なりの思いがあり、不機嫌という形で出てしまっているとも考えられます。

大事なのは、自分自身の生活です。自分の生活を犠牲にしないためにあるのが、介護保険サービスです。日中デイサービス、夕方の時間はホームヘルパーを利用し、相談者が実家に行く頻度を1日おきから週に1回程度にするのはいかがでしょうか。週に1回程度両親の様子を見に行くのであれば、夫も理解してくれるかもしれません。

もしかしたら、お父さんがホームヘルパーなど他人を家に入れるのをいやがっている可能性もありますよね。お父さんの要望だけを受け入れ、夫にはがまんしてもらうと、夫の不満がたまっていくので、お互いに納得できる方法を見つけられるといいですね。

相談者自身に、自分で両親の面倒を見たいという思いがあるかもしれません。ただ、夫にその思いを話して、理解をえるというのは、難しい場合もあると思います。今後お父さんも介護が必要になる可能性がありますし、このままの生活を続けていると、ますます相談者の負担が大きくなるのは目に見えています。今のうちからホームヘルパーに慣れておくなど、さまざまなサービスを利用して、できるだけ相談者の生活が犠牲にならないような態勢を整えることをおすすめします。

お母さんがデイサービスを利用しているということは、担当のケアマネジャーがいると思うので、ホームヘルパーなどのサービスについて、ぜひ相談してほしいと思います。

【まとめ】1日おきに父と認知症の母が暮らす実家へ。自宅に帰ると夫が不機嫌なときには?

  • 夫が不機嫌になるのは、自分自身の生活が犠牲になっている証拠だと理解する
  • ホームヘルパーなど介護保険サービスを利用して、実家に行く頻度を減らす

あわせて読みたい

この記事をシェアする

この連載について

認知症とともにあるウェブメディア