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誰もが同じ?独自のケアプランではないのでしょうか【お悩み相談室】

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地域包括支援センターでセンター長を務める由井洋子さんが、高齢者や介護の様々な悩みに答えます。

Q.同居している父(83歳)が要介護1となり、介護保険サービスを利用することになりました。でも、担当のケアマネジャーが立てたケアプランが、知人の家族のものと同じように感じます。対象者が違うのに、同じプランを使うのはふつうなのでしょうか(55歳・男性)

A.要支援、または要介護と認定された人からの相談に応じ、心身の状況に合わせた適切なサービスを利用できるよう、ケアプラン(介護サービス計画)を作成する専門職がケアマネジャー(介護支援専門員)です。私は地域包括支援センターで要支援と認定された人のために「介護予防サービス計画(介護予防ケアプラン)」を作成していますが、要支援者の心身の状態が似ていると、ケアプランが同じようになってきてしまうことは確かにあります。

しかし、本人や家族から情報を集めることなどによって、なるべくその人に合わせた内容を盛り込むようにしています。ケアプランはケアマネジャーが1人で作成するものではなく、本人や家族と協力してつくるものです。担当のケアマネジャーに、お父さんや相談者の思いをしっかり伝えられているでしょうか。伝えきれていない部分があれば、ぜひケアマネジャーに直接話してほしいと思います。

家族からみる本人の状態とケアマネジャーの見立てがずれていることもあります。ケアマネジャーは専門的な視点でお父さんの状態を確認しているはずなので、なぜそのような見立てになるのか、理由を聞いてみてもいいでしょう。

こうしたことを確認しにくい、思いを伝えづらいということであれば担当のケアマネジャーと相性が合わないのかもしれません。事業所に相談して、担当をかえてもらうのも一つの方法です。

地域包括支援センターには、「主任ケアマネジャー」が配置されています。居宅ケアマネジャーから相談を受けたり、助言したりできる立場で、ケアマネジャーの上位資格です。場合によっては、一度地域包括支援センターでケアプランについて相談にのってもらうのもいいかもしれません。

今後もお父さんの生活を支えていくにあたって、ケアマネジャーは重要な役割を担います。不安な点があれば、今のうちに解消しておけるといいですね。

【まとめ】担当のケアマネジャーが父のために作ったはずのケアプランなのに、他人と同じように感じるときには?

  • 利用者の心身の状態が似ていればケアプランも似てくることを理解したうえで、本人や家族の思いをケアマネジャーにしっかり伝える
  • なぜこのようなケアプランになったのか、根拠をケアマネジャーに確認する
  • コミュニケーションがとりづらければ、事業所に相談して担当を変更してもらう

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