お悩み相談室

認知症で変わった母 投げやりな態度も本心が知りたい【お悩み相談室】

会話するふたり、Getty Images
Getty Images

地域包括支援センターでセンター長を務める由井洋子さんが、認知症の様々な悩みに答えます。

Q.母(79歳)が初期の認知症と診断されました。もともとこだわりが強くて、何事も自分で決めるタイプでしたが、デイサービスに行くことを提案すると「どちらでもいい」「任せる」と投げやりです。本人の気持ちを尊重したいのですが、どのように聞き出せばいいでしょうか(57歳・女性)

A.認知症になると、初期でも判断力が低下することがあります。このため、お母さんは自分で決めるのが難しい状況なのかもしれません。気になるのが、認知症と診断されたお母さんの今の気持ちです。病気を受け入れるまでにかかる時間は、人それぞれです。もしかしたらお母さんは、認知症と診断されたショックから、まだ立ち直れていない状況かもしれません。いろいろなことが進んでいく周りの状況に、ついていけていない可能性もあります。

相談者もお母さんが認知症と診断されて、思うところはあるでしょう。お母さんと相談者とで、お互いの今の気持ちを話し合って共有できるといいですね。そうした中で、「本当はデイサービスに行きたくない」「診断されて戸惑っているので、今はデイサービスのことは考えられない」など、お母さんの本当の気持ちを聞き出せるかもしれません。

まだ認知症の初期ということなので、必ずしも介護保険のサービスにつなげる必要はないと思います。地域包括支援センターでは、地域住民や認知症の人が集まる認知症カフェや高齢者サロンを開催し、さまざまなアクティビティを実施しています。認知症の進行ぐあいにもよりますが、いきなりデイサービスに通うのではなく、まずはこうした無料で参加できる場に足を運んでみるのもいいかもしれません。地域包括支援センターでは、認知症カフェなどについて案内するほか、認知症の状態に応じたサービス提供の流れをまとめた「認知症ケアパス」を配布しています。今のお母さんにどのような場、サービスが向いているのか、相談してみてはいかがでしょうか。

お母さんはデイサービスがどういう場所なのかイメージできていないために、投げやりになっている可能性もあります。お母さんの気持ちをくみつつ、見学や体験に行ってみるのもいいと思います。

すぐに決断するよりも、今はお母さんの気持ちに配慮しながら、ゆっくりと環境の調整を進めていくときかもしれません。それが本当の意味での“本人の気持ちを尊重する”ことになるのではないでしょうか。

【まとめ】認知症と診断された母がデイサービスに行くことについて投げやり。本人の気持ちを聞き出すには?

  • 認知症と診断されたお母さんと相談者の気持ちをお互いに話して共有する
  • 今すぐに決めようとせずに、地域の認知症カフェやサロンを利用しながら徐々に検討していく
  • デイサービスのイメージをつかむために、見学や体験に行く

あわせて読みたい

この記事をシェアする

この連載について