「できない」というのは先入観 当事者は工夫を重ね、日常を生きていく
《介護士でマンガ家の、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
![「ひとりで電車に乗れるの?!」「もちろんよ」](http://p.potaufeu.asahi.com/9d8f-p/picture/26842867/f961719a61a9f53098f3de9614b5d008.jpg)
認知症になったら、なにもできなくなる。
この誤解が世間一般に
広く浸透していて、驚く。
認知症当事者の私は、
愛想笑いもうまくなった。
![認知症のドラマ『ふたりの和子』「認知症になったら、もう終わりよ!」「そんなことないわよ」「母さん印鑑どこ?」](http://p.potaufeu.asahi.com/c0ca-p/picture/26842870/8f03b9625440eab00edab26a58675c6f.jpg)
終わりなわけがない。
私は不安になったり、
困ったりしながらも、
ひとり地道な工夫を重ねて、
今日も暮らしている。
![「母さん、印鑑・・・」「ごめん、ちょっと待っててー、先にメール、返信したい!」](http://p.potaufeu.asahi.com/206d-p/picture/26842871/ba927a75cbe3fcfc81c8c7f5bf5d7363.jpg)
誰かにサポートを
お願いすることもあるけど、
仕事も、家事もする。
どこまでも続く、
騒がしい日常を生きている。
「○○さん、メールができるの? びっくり!」
以前、認知症当事者さんに、
ある女性がかけた言葉に、
私はカチンときました。
なんで、できないのが当たり前と
思ったんだろうと。
けれど、私だって身近に、
当事者さんがいる生活をしてこなければ、
同じように思ったかもしれません。
それぐらい、私たちの身近には
「認知症になったら、終わり」
そんな、ネガティブで極端な情報があふれています。
誤解とは怖いもので、
「あの人は認知症になったから、もう仕事をやめてもらおう」
などと、人を切り捨ててしまうことさえあります。
だからこそ、
体をはって、当事者さんたちが
素顔のまま、声をあげています。
どんなに勇気がいることでしょうか。
誰にとっても生きやすい、
未来のためです。
認知症を知り、
理解しようとすることは、必ず
私たちの明日に返ってきます。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
![](http://p.potaufeu.asahi.com/nakamaaru/img/nakamaaru450_450.gif)