認知症とともにあるウェブメディア

今日は晴天、ぼけ日和

「できない」というのは先入観 当事者は工夫を重ね、日常を生きていく

《介護士でマンガ家の、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》

「ひとりで電車に乗れるの?!」「もちろんよ」

認知症になったら、なにもできなくなる。 

この誤解が世間一般に
広く浸透していて、驚く。 

認知症当事者の私は、
愛想笑いもうまくなった。 

認知症のドラマ『ふたりの和子』「認知症になったら、もう終わりよ!」「そんなことないわよ」「母さん印鑑どこ?」

終わりなわけがない。 

私は不安になったり、
困ったりしながらも、 

ひとり地道な工夫を重ねて、
今日も暮らしている。

「母さん、印鑑・・・」「ごめん、ちょっと待っててー、先にメール、返信したい!」

誰かにサポートを
お願いすることもあるけど、 

仕事も、家事もする。 

どこまでも続く、
騒がしい日常を生きている。

「○○さん、メールができるの? びっくり!」 

以前、認知症当事者さんに、
ある女性がかけた言葉に、
私はカチンときました。 

なんで、できないのが当たり前と
思ったんだろうと。 

けれど、私だって身近に、
当事者さんがいる生活をしてこなければ、
同じように思ったかもしれません。 

それぐらい、私たちの身近には
「認知症になったら、終わり」 

そんな、ネガティブで極端な情報があふれています。 

誤解とは怖いもので、
「あの人は認知症になったから、もう仕事をやめてもらおう」
などと、人を切り捨ててしまうことさえあります。 

だからこそ、
体をはって、当事者さんたちが
素顔のまま、声をあげています。 

どんなに勇気がいることでしょうか。 

誰にとっても生きやすい、
未来のためです。 

認知症を知り、
理解しようとすることは、必ず
私たちの明日に返ってきます。

《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》

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