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介護と子育てで負担がダブル イライラが止まりません【お悩み相談室】

ソファに腰かけるひと、Getty Images
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介護福祉士、介護支援専門員の山城裕美さんが、認知症の様々な悩みに答えます。

 Q.同居している母(80歳)が5年前に認知症と診断されました。本人は比較的穏やかでデイサービスなども利用しているので、介護はラクなほうだと思いますが、思春期の子どもたちも手がかかり毎日イライラが抑えられません。いつまで母の面倒を見るのかと考えてしまうことがあります(51歳・女性)

A.介護も子育ても、一生懸命されているからこそイライラしてしまうんですよね。お母さんは日中にデイサービスを利用しているとはいえ、深夜はトイレの付き添いなどがあるかもしれませんし、早朝は子どもたちの弁当作りなどがあるかもしれません。お母さんと子どもたちの生活リズムは違うはずなので、そのどちらにも合わせていると本当に大変だと思います。イライラが抑えられないのも、この先のことが不安になるのも当然です。

とはいえ、イライラしている自分の姿がいやになるでしょうし、イライラはお母さんや子どもたちにも伝わるので、できれば抑えたいですよね。対策としては、1人で何でも抱え込まないということです。子どもたちは思春期なので、ある程度は家の手伝いができると思います。洗濯物をとりこむ、お風呂を掃除する、食器洗いをするなど簡単な家事を一つ二つやってもらうだけでも、相談者の負担は軽くなるのではないでしょうか。家事に限らず、お母さんと15分だけおしゃべりしてもらうといったことでもいいと思います。もしかしたら相談者は、自分の母親のことだから、子どもたちには迷惑をかけたくないという思いがあるかもしれません。けれども大変そうな親の姿を見ている子どもたちは、本当は手伝いたいという気持ちがあるのではないでしょうか。何をしたらいいのかわからないだけかもしれないので、具体的にやってほしいことを頼むのがいいと思います。

子どもに手伝ってもらって「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えると、それだけでイライラが落ち着くこともあると思います。また、家の中で「ありがとう」の言葉が増えると、そのときだけでも互いに認め合えて、相談者の気持ちも前向きになれるのではないでしょうか。毎回ではなくても気持ちを伝え、「今」がよければよいと思えるようになるといいですね。

お母さんに泊まりのサービスを利用してもらうなど、介護疲れを癒やす「レスパイトケア」も大切です。お母さんも子育てを経験しているので、「この週末はどうしても子どもたちを○○に連れて行きたい」など、きちんと説明すれば理解してくれると思います。子どもたちも認知症の祖母と暮らすことによるストレスがあるかもしれません。子どもたちにとっても貴重な時間になるはずです。

お母さんと離れる時間をもつと、さみしく感じたり、戻ってきたときにやさしくできたりするものです。ぜひ息抜きの時間をもつようにしましょう。

【まとめ】認知症の母と思春期の子どもたちに手がかかり、イライラが抑えられないときには?

  • 簡単なことでもいいので、子どもたちに家事や介護を手伝ってもらう
  • 子どもたちに手伝ってもらったら「ありがとう」と感謝の言葉を伝える
  • お母さんに泊まりのサービスを利用してもらうなど、息抜きの時間を持つ

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