今日は晴天、ぼけ日和

やりたいことがないといけないの? こころの動きを「待つ」大切さ

《介護士でマンガ家の、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》

やりたいことはなんですか? ドキッ

認知症になり、
周囲からそんな問いかけを
されることが増えた。 

けれど、
即答できる人などいるのだろうか。 

○○教室、音楽、○○リハビリ、絵を描く、競演、山、○○を育てる、仕事、スポーツ。あふれる選択肢

答えられずにいると、
あらゆる人が
たくさんの選択肢をくれた。 

皆、私のことを思ってくれている。
どれかに答えなければ、と思うのに、
心が動かない。

外を眺める人

「やりたいことは、なんですか?」

ひとりになり、
ふとあの時の答えが、思い浮かぶ。

大丈夫。
ゆっくりゆっくり、心は動く。

「自宅にいる時間が増えたのに、やりたいことがわからない」 

認知症当事者さんから、そう聞いた私は
絵を描くことやハイキングを、
一方的に提案したことがあります。

その押し付けがましさを、今は猛省しています。
 
「なにが好きですか?」
「やってみたいことはありますか?」
「気になる趣味はありますか?」

時々、そう問いかけ、付き合いを続ける中で
返答を数カ月でも1年でも、待てばよかったのです。

わからないことや困りごとがある時、私たちは急ぎます。

けれどその答えが相手の心にある場合は、
「わからない」を一緒に漂う姿勢こそ
必要ではないでしょうか。

ちなみに、その当事者さんが
1年後に見つけた、やりたいことは
「友人と話したい」というものでした。

《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》

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