今日は晴天、ぼけ日和

ヘルパーさんと作る夕食 ふるさとの野菜で食卓が思い出いっぱいに

《介護士でマンガ家の、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》

「根芋ありました!!」田中さん「えっ」

訪問介護ヘルパーの佐々木さんが、
買い物で根芋を見つけてきた!

根芋は、田中さんのふるさとの野菜。

※根芋とは…主に、里芋の親芋から特殊な方法で栽培した芽。

「なつかしいな。母の味を思い出すわ」「一緒に作りましょう」

いつもは立つのもおっくうな、田中さん。
それでも今日は、佐々木さんと一緒に夕飯の準備に立つ。
わくわくして、立たずにいられない。

みそ汁をいただく人

田中さんのひとりの夕食に並んだ、
根芋のきんぴら、根芋のみそ汁。

あたたかな食卓には、思い出がいっぱい。

訪問介護ヘルパーの仕事のひとつに、
「食事の準備」があります。
が、それは、ただ食事を並べるわけではありません。

ご利用者の心身を励ますような食卓を、準備をするのです。

「訪問介護ヘルパーが、ご利用者の栄養管理や、
できないところをサポートするのは当然だけれど、
それだけでは十分じゃないのよ」 何度、先輩ヘルパーたちに教えられたでしょうか。

「たらの芽がもう出ていましたよ」
「ご主人が大好きだった味つけ、教えてください」
「これ! お好きでしたよね」

御本人の好みや、それまでの生活を思いやりながら。
訪問介護ヘルパーは短いサービス時間のなかで、
日々に活力を与えるような時を、つくり出しているのです。

人生の締めくくりを迎えた、
人さまの家にあがる。

訪問介護ヘルパーは、
その仕事の責任を
肌で知っています。

『大変だけど、やりがいがある』

訪問介護ヘルパーの方々からそんな声を聞くのは、
人を支えている、その誇りからなのでしょう。

《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》

前回の作品を見る

あわせて読みたい

この記事をシェアする

この連載について