デイケアのスタッフが怖い 施設を変えるしかない?【お悩み相談室】
構成/中寺暁子
作業療法士の松本剛史さんが、認知症の様々な悩みに答えます。
Q.父と2人暮らしの認知症の母(79歳)はデイケアに週に5日通っています。ほかの利用者とも仲良くなって通ってよかったのですが、リハビリ専門のスタッフの口調がきつく、母も「怖い」と言っています。20分程度個別リハビリの時間があるのですが、リハビリ専門職は1人しかいないので、代わってもらうことができません(49歳・女性)
A.せっかく通い慣れたデイケアで、そのようなことがあるのはとても残念ですね。担当ケアマネジャーに相談して、ほかの施設を探してもらうのも一つの方法ではありますが、第一に考えるべきことは、お母さんの希望だと思います。
お母さんがこれからも通い慣れたデイケアで過ごしたいと望まれるのであれば、施設側に改善を求めてはいかがでしょうか。施設には、苦情窓口の設置が義務づけられています。契約の際に施設から受け取った重要事項説明書に、その連絡先が記されていると思います。苦情を伝えることで、お母さんへの待遇が悪くなるのではないかと心配されるかもしれませんが、お互いのために、はっきりと改善を求めることが大切です。
リハビリ担当のスタッフに対して怖いと感じているのは、お母さんだけではないかもしれないですよね。また、スタッフ本人は、口調がきついことに全く気づいていないかもしれません。つまり苦情を直接伝えてもらうのは、施設としては改善のチャンスなので、ありがたいことだと思うのです。気兼ねなく、伝えてください。
それでもやはり施設側に直接伝えづらい、もしくは伝えても改善が見られなかった場合は、施設がある市区町村または都道府県の苦情相談窓口に連絡するといいでしょう。国民健康保険団体連合会も介護保険サービスの利用者からの苦情を受け付けています。
問題を放置することは、お互いのためになりません。スタッフの対応が改善し、お母さんが安心してデイケアに通えるようになるといいですね。
【まとめ】認知症の母が通うデイケアで、リハビリ担当のスタッフの口調がきつく、怖いと感じるときには?
- 今のデイケアに通い続けたいのか、ほかの施設に移りたいのかなど、お母さんの希望を第一に考える
- 今のデイケアに継続して通いたいという希望があれば、施設に設置されている苦情窓口に連絡し、改善を求める
- 施設の苦情窓口に伝えづらい場合、伝えても改善が見られない場合は、市区町村や都道府県、国民健康保険団体連合会の苦情窓口に連絡する