デイケアではラジオ体操しかしない 効果はあるの?【お悩み相談室】
構成/中寺暁子
作業療法士の松本剛史さんが、認知症の様々な悩みに答えます。
Q.認知症の母(78歳)と同居していますが、日中は母1人になってしまうので、通所型サービスを利用しています。骨粗鬆症(こつそしょうしょう)があり、運動も取り入れたほうがいいと思い、デイケアに通っていますが、見学したところラジオ体操のような運動しかしていなくて、不満です。(男性・52歳)
A.骨粗鬆症は骨折などけがのリスクが高く、運動する際には十分な配慮が必要です。そのリスクを考えると、とても心配です。安全で適切な運動指導を受けられるといいですね。
デイケアを利用するにあたっては、お母さんの心身の状況や希望に合わせて通所リハビリテーション計画書を作成します。ラジオ体操のような運動もその計画に沿ったプログラムかもしれないので、まずはどのような目的で行っているのか、施設に確認してみるといいと思います。
それでも不満を感じるようなら、適切な運動や、安全な動作指導を積極的に行ってくれる施設への変更を検討されてはいかがでしょうか。運動を主な目的としてデイケアを選ぶ際には、次のようなポイントを確認してください。
- サービス利用時間の中でリハビリに費やす時間
- リハビリ専門職をどの程度配置しているか
- 集団運動だけではなく個別のプログラムを多く行っているか
- リハビリプログラムを専門家の評価のもとで適切に計画しているか
- リハビリマシーンなどの設備は充実しているか
こうしたポイントは、施設を見学しただけでは判断しにくい点もあると思います。ケアマネジャーの意見を参考にしたり、見学に行った際に実際に利用している人の声を聞いたりしてはいかがでしょうか。ケアマネジャーもすべて把握しているわけではないので、ケアマネジャーから施設に問い合わせてもらうのも一つの方法です。
施設によって利用時間や提供されるサービスの内容は、大きく異なります。お母さんとご家族が希望する運動時間やサービス内容などをできるだけ具体的に担当ケアマネジャーに伝えておくことも重要でしょう。
【まとめ】認知症の母が通うデイケアでラジオ体操のような運動しかしていなくて不満なときには?
- ラジオ体操のような運動がどのような目的で行われているのかを施設に確認する
- 目的を確認したうえで不満であればデイケアを変えることを検討する
- 運動を主な目的にしてデイケアを選ぶ際は、リハビリに費やす時間、リハビリ専門職をどの程度配置しているかといったことを確認する