自分ひとりで解決しなくてもいい 身近で頼れる相談者を知って欲しい
《介護士でマンガ家の、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
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また、
あのおばあちゃんがいる。
今日も、あんな薄着で同じ場所に。
家族はいるの? ちゃんと食べているの?

本人に声をかけるなんて、
私にはできない。
見るな、目を合わせるな。
弱い自分に目をつぶる。
…でも。
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ある日、
町の民生委員さんを訪ねた。
話してみよう、おばあちゃんのこと。
それは、
できないことがあってもいい、と
認めることができた、
私の第一歩。
暮らしのなかで、
自分ひとりではどうにもならないような、
困りごとに出会った時、
どうすればいいのでしょうか。
ひとりで抱えこまないことは
大前提ですが、
私は、
身近な相談者として、
民生委員さんに大いに助けられた経験があります。
民生委員とは、厚生労働省によると、
「それぞれの地域において、
常に住民の立場に立って相談に応じ、
必要な援助を行い、
社会福祉の増進に努める方々」
とあります。つまり、
頼りになるご近所さん、です。
先日、私自身、
気になることがあり、
民生委員さんを訪ねる機会がありました。
…結果。
こんなにもすぐそばに、
福祉の架け橋になる方がいるのか、と
予想以上の安心を頂きました。
私自身の相談ではなかったのに、
身近な民生委員さんを知ることは、
「自分自身に、セーフティーネットを張ること」
と体感しました。
なにかがあった時、
誰かを頼っていいんだ、という
自分自身の安心。
それがあってはじめて、
人は自分以外の誰かに
手をさしのべられるのかもしれません。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
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