認知症だと他人が打ち明けていい?まずは本人の思いを聞いてほしい
《介護士でマンガ家の、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
![「あの人、認知症だから気をつけてあげて」](http://p.potaufeu.asahi.com/a140-p/picture/26365625/ef46d1bc13666d9fd1ff036e09f930d7.jpg)
コソコソされた耳打ちに、
私は戸惑いを感じた。
![「勝手に認知症だと話すのは、間違ってません?」「さりげない周囲の理解は大事なことでしょう?」](http://p.potaufeu.asahi.com/e372-p/picture/26365626/2b89fb7a4651995b5416e916c49dec26.jpg)
私たちは
それぞれの「正しさ」で、
平行線のまま。
これは、ご本人に聞くしかない!
![「どちらかと言えば、私の好みは・・・」](http://p.potaufeu.asahi.com/a65e-p/picture/26365624/f64079579f4f915922772f749f5cc931.jpg)
あなたの曖昧な返答に、
なにかがほどけてゆく。
正しさからは近づけない、
あなたの心に触れられたから。
最近、私自身が以前より
感覚よりも思考に偏っているな、と
感じることがあります。
外出の有無ひとつにしろ、
なにが正しいかで判断し、
行動するようになった
コロナ禍の影響でしょうか。
けれど、
正しいかどうか、
白か黒かで
答えを出そうとすればするほど、
他者理解から離れます。
人を理解する道すじは、
そんな単純な明確さの中には、
ないからです。
曖昧(あいまい)な好み、
まとまらない言葉、
幅のあるグレ-の感情。
個人からこぼれる、
そういったかけらこそ、
ご本人らしさを多分に内包しています。
人の曖昧さを受け入れられる、
やわらかな感受性であること。
周りから症状で判断されがちな、
認知症当事者の方の前では、
特に必要な態度だと私は思います。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
![](http://p.potaufeu.asahi.com/nakamaaru/img/nakamaaru450_450.gif)