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認知症の父は貯金ナシ 施設の空きナシ 援助ナシ【お悩み相談室】

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地域包括支援センターで高齢者の相談に応じている山口明子さんが、認知症の様々な悩みに答えます。

Q.認知症の父(77歳)は一人暮らしをしていますが、一人歩きをして迷子になることが重なり、施設入居を考えています。しかし公的な老人ホームは空きがなく、貯蓄がない父を有料老人ホームに入れることはできません。私も援助できない状況で困っています。(46歳・女性)

A.行方不明になったり、警察に保護されたりといった状況だと、緊急性が高いかもしれません。介護保険の要介護(要支援)認定を受けているようでしたら、短期的に入居できるショートステイを利用して、その間に相談者とケアマネジャーと相談し、お父さんが安全に暮らせるような環境を整えることをおすすめします。認定を受けていない、また担当ケアマネジャーがいない場合は、地域包括支援センターで相談してみてください。

介護保険施設に入居したいという場合、費用の負担が軽くなる「特定入所者介護サービス費」(※2021年8月1日から、制度の見直しが予定されています)という制度があります。要介護認定を受けている人が施設に入居する場合に、所得や資産が一定以下だと、負担限度額を超えた居住費と食費の負担額が支給されるという制度です。まずは認定を受ける必要があるので、市町村や施設の相談窓口で相談してみてください。

また、一定の要件に該当する低所得の方の場合、利用料金の一部を軽減する、「社会福祉法人等による利用者負担軽減制度事業」を実施している施設もあります。実施している施設については、市町村の相談窓口で確認できます。
そのほか、緊急的に短期の宿泊を利用できる制度を設けている市町村もあります。

一方、在宅で安全に暮らすということも、選択肢の一つとして考えてみてほしいと思います。訪問介護やデイサービスによって、毎日専門職の見守りを受けられるようにするほか、地域の見守りネットワークなども活用すれば、在宅でも安全に暮らすことは不可能ではありません。

自治体によっては、警察や介護施設などと連携して、「高齢者の見守り・SOSネットワーク」という取り組みを実践しているところもあります。高齢者が行方不明になったときに、すみやかに発見、保護できるようなしくみで、登録しておくと、万が一行方不明になったときに地域で協力して探してくれます。また、居場所がわかるようにGPS端末を貸してくれる自治体もあります。隣近所の人や、民生委員に相談して、見守りの目を増やしておけるとよりいいですね。

こうした環境づくりと同時に、お父さんがなぜ一人歩きをするのか、その理由を考えることも大事です。認知症の原因疾患の1つである前頭側頭型認知症の場合、「常同行動」といって毎日決まった時間に同じ場所に行かないと気が済まないといった症状が出ることがあります。この場合は、原因疾患による症状なので、医師に相談しましょう。一方、スーパーに買い物に行くといった目的がある場合は、目的に合わせた対応が必要です。買い物は家事支援としてヘルパーに依頼する、宅配や移動スーパーを利用するという方法もあります。

心配だとは思いますが、在宅でもさまざまなサービスを利用してお父さんを見守ることはできると思います。ケアマネジャーと相談して、検討してみてください。

【まとめ】一人歩きをして迷子になる認知症の父。施設に入居させたいがお金がないときには?

  • 「特定入所者介護サービス費」や「社会福祉法人等による利用者負担軽減制度事業」などの制度を利用する
  • 訪問介護、デイサービスのほか、地域の見守りネットワークなどを利用して、在宅でも安全に暮らす環境を整える

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