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姉夫婦の家から異臭 介護は自分がやると言って聞きません【お悩み相談室】

ものがあふれる部屋

地域包括支援センターで高齢者の相談に応じている山口明子さんが、認知症の様々な悩みに答えます。

 Q.姉(78歳)は認知症の夫(83歳)と2人で暮らしています。先日約1年ぶりに姉宅へ行ったら、部屋が荒れていて異臭もしました。以前の姉では考えられないことなので、何かしらのサービスを頼んだら、と言ったのですが、「私が元気なうちは大丈夫」と言って聞かず、共倒れになるのではないかと心配です。(74歳・女性)

A.確かに共倒れが心配なので、介護保険サービスにつなげるのが一番いいと思います。とはいえ、お姉さんは「大丈夫」と言っているので、しつこくはすすめられないですよね。こうした場合は、第三者に入ってもらうとスムーズに受け入れてもらえることがあります。

第三者には、地域包括支援センターを利用するのがいいと思います。相談者がお姉さん夫婦が住む地域の地域包括支援センターに連絡をして、スタッフにお姉さん宅を訪問してもらいましょう。相談者が同行してもいいと思います。スタッフには「姉は介護保険サービスの利用を受けたくないと言っている」ということは、伝えておいてください。そうすれば、最初からストレートに介護保険サービスの話は出さずに、「地域の方たちの様子をうかがっているところなんです」などとお姉さんに説明してくれると思います。

何度か訪問を受け、まずは地域包括支援センターのスタッフと顔見知りになってもらうことを目標にしましょう。

お姉さん自身、以前はできたことができなくなったなど、違和感が出てきているかもしれません。けれども「人に迷惑をかけたくない」「人の世話になりたくない」という意識もあるのだと思います。スタッフには顔見知りになったうえで「今は大丈夫だけれど、今後に備えて介護保険の申請をしておきましょう」といった声がけをしてもらえると、スムーズに受け入れられるかもしれませんね。

久しぶりにお姉さん宅を訪問して変化に気づけたのは、いいタイミングだったのだと思います。お姉さん夫婦が介護保険サービスとつながり、安心して暮らせるようになるといいですね。

【まとめ】夫婦で共倒れになりそうなのに、姉が介護保険サービスを拒否するときには?

  • 姉夫婦が住む地域の地域包括支援センターに連絡して、事情を説明する
  • 地域包括支援センターのスタッフから介護保険サービスの申請を提案してもらう

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