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尊敬していた父が看護師にセクハラ…合わせる顔がない【お悩み相談室】

手のひらを突き出す人

地域包括支援センターで高齢者の相談に応じている山口明子さんが、認知症の様々な悩みに答えます。

 Q.母が数年前に他界し、認知症の父(76歳)を自宅で介護しています。最近訪問看護師の体を触ったり、セクハラ発言をしていたりするのを目撃して、尊敬していた父だったので大きなショックを受けました。看護師さんには私から謝っていますが、申し訳なさと恥ずかしさで合わせる顔がありません。(52歳・女性)

A.認知症になると抑制がきかなくなることがあるので、お父さんのような言動は珍しいことではありません。家族としては受け入れがたいと思いますが、こうした言動は認知症によるものであり、お父さん自身が変わってしまったわけではないということを、まず理解してください。

そしてぜひやっていただきたいのが、看護師などの訪問スタッフに、お父さんは相談者からみてどんな人だったのかを伝えることです。どんな仕事をしていたのか、何をするのが好きだったのか、相談者はお父さんのどんなところを尊敬していたのか……。お父さんの背景を知っているかどうかで、ケアする側の気持ちも変わってくると思うのです。また、看護師がお父さんの仕事や趣味について話題にすれば、お父さんの興味がそちらに向いて、性的な言動を防げることもあります。

性的な言動をするのは、自分に興味をもってほしいという気持ちの表れかもしれません。その根底には、さみしさや不安がある可能性もあります。相談者がお父さんの背中をなでるなど、スキンシップをとると、さみしさや不安が和らぎ、性的な言動をしなくなるかもしれません。

認知症の人は言葉によるコミュニケーションが難しくなるので、本当に伝えたいことが別の言動になって表れることがあります。尊敬しているお父さんだからこそ、よく観察してみてください。お父さんが本当に伝えたいことが、見えてくるかもしれません。

【まとめ】認知症の父が訪問看護師の体を触ったり、セクハラ発言をしたりするときには? 

  • 認知症による言動だと理解する
  • 訪問スタッフに父がしていた仕事や好きだったことについて話す
  • さみしさや不安が言動の背景にある可能性もある。それらを和らげるためのスキンシップを意識する

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