老後、パソコンはじめました「みそ汁にパクチー」から始まる現代詩集?
アルツハイマー型認知症のタカオさん。スケッチされたその不思議な世界観を、間学(あいだ・がく)さんがコレクションしています。日本のみならず、海外の人の注目も集めている作品の数々。タカオさんのガイドつきで紹介します。ようこそ、タカオ美術館へ。
- カタコトの詩
- 老後の人生は愚痴やつぶやき、独り言の類でおおかた出来上がっているもんじゃが、それをそのままにしておくのも何だかもったいない気がして、始めてみたんじゃ。
パソコンに向かって、カタコトカタコトってさ。かかりつけの医者も「メモでも日記でも備忘録でも何でもいいから書くのはいいですよ」ってやたらと勧めてくるからね。
それでそうそう、こいつは確か先週の分だけど、えーと、順番はこれでいいのかな。「入れ歯は冷蔵庫に。バナナは1日3本が正解だ」「世界一複雑な日本のテレビリモコン問題と、パクチーがみそ汁に浮かんでいた衝撃」「気候変動が記憶消失に及ぼす影響と我が家の戸締まり問題」「自撮り、千鳥、ニトリ、人気の類似性に見るニッポン」「金曜日のヘルパーさんはバームクーヘンが好き」……うーん、週刊誌の記事のタイトルみたいな気もするけど、こいつはむしろ現代詩じゃな。
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