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仲間と一緒に輝き続ける

コロナ禍でのひとつの仕事が終了

こんにちは、さとうみきです。

昨年から、突如として世界中をも苦しめている新型コロナウイルス。

誰もがこんな日が長期化すると想像しなかったのではないでしょうか。

そんな昨年の夏に八王子市地域包括支援センターより、
私が当事者スタッフとして働く「BLG! はちおうじ」(以下、BLG!)に段ボール製のパーテーションを作ってほしいとご依頼をいただききました。

メンバーさん(BLG! では利用者をメンバーさんと呼びます)と共にセンターを訪ね、その職場の様子から、どんなタイプのパーテーションがいいかを相談、寸法を測ります。後日、取り寄せた大きな段ボールを担いで地域包括支援センターに到着。

最初のパーテーション運びをするメンバーさん。なかまぁるは、それぞれの「私」が、自分らしく生き続けていくための情報をお届けします。この連載は、東京都八王子市のデイサービスで、認知症当事者スタッフとして働く、さとうみきさんが綴るエッセイです。
最初のパーテーション運びをするメンバーさん

しかし!
せっかくの工具箱を忘れて来てしまい、みんなで笑いながら車でBLGに戻ります。

そんな車内では
「俺たちらしいよなぁ〜」
「材料持って行っても工具箱を忘れるってさぁ〜」

誰を責めることもなく
みんなが「忘れたこと」を笑って、俺たちらしいと笑い合える仲間。
わたしも一緒になって笑っていたかと思います。

そして、再び地域包括支援センターに到着し、早速、組み立て始めようとすると!
「見えねー!!」とメンバーさん。
なんと! 今度はメガネを忘れたことがわかり、ご帰宅。

そんなこんなで何とか「初期モデル」を設置完了しましたが、簡素な物でした。

数日たつと、また地域包括支援センターの方から連絡があり、パーテーションが曲がってきたとのこと。

「そりゃ〜ダメだぁー!」
「すぐに手直ししないと!」

ちゃんとメンテナンスの仕事に向かうメンバーさんたちの責任感は素晴らしいです。

倒れないように工夫したのだけど……。
倒れないように工夫したのだけど……

再度、現場を確認しながら、今度はもっとしっかりしたパーテーションを作ろう!と話し合います。

しかし、「パーテーション」がいつの間にか…
パンティー?
パンティーション?

「お前、やらしいなぁ〜」
「何を想像してんだー」

おっちゃんたち(笑)(メンバーさんに親しみ込めてそう呼んだりもします)
世代を越えて、ゲラゲラ笑いながら、中学生のような会話が続くこともあります。

再びBLG! で完成させたパーテーションは
二枚の段ボールの間にしっかりと固定の芯を入れて
立派な頑丈なパーテーションになりました。

そんな風にみんなでがんばったパーテーションでしたが
コロナが長引く中、透明な素材で作ることになったとの連絡をいただき回収に伺いました。
戻ってきたパーテーションはびくともしない頑丈さ。
そしてここで、話は現在に戻ります!! 今日はこれを分別してゴミ出しするために、
本日のデイサービスの活動の中でパーテーションを解体しました。

解体作業は悪戦苦闘でした
解体作業は悪戦苦闘でした

3人のメンバーさんと守谷さん、わたしで解体をはじめるもかなりの頑丈さに苦戦。

ゴミ分別のため、細かいテープ剥がし作業を頑張るメンバーさん
ゴミ分別のため、細かいテープ剥がし作業を頑張るメンバーさん

そんな様子を見ながらわたしは
この約1年のコロナ禍でのメンバーさんの活動や、卒業されたメンバーさんのことを思い出していました。

卒業されたメンバーさんとの別れがあるなかで、新メンバーさんとの出逢いもあり。
新メンバーさんとの出逢いのなかで、わたしのココロの変化もあり。
ココロの葛藤をいずれ連載にしたいと思います。

一日も早くコロナが終息し、当たり前の日常が戻ることを祈るばかりです。

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