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仲間と一緒に輝き続ける

新しいメンバーさんの優しさに触れ

なかまぁるは、それぞれの「私」が、自分らしく生き続けていくための情報をお届けします。この連載は、東京都八王子市のデイサービスで、認知症当事者スタッフとして働く、さとうみきさんが綴るエッセイです。
新しいメンバーさんに、慣れたメンバーさんがそっとやり方を教えています

こんにちは、さとうみきです。
今日は、「DAYS BLG!はちおうじ」に新しく加わったメンバーさん(BLG!では利用者をメンバーさんと呼びます)の活動初日の出来事について書きます。
雲ひとつない青空の下、「BLG! はちおうじ」は今日も、朝のミーティングでメンバーさんがやりたい事を考えて決めることからはじまります。

「BLG! はちおうじ」には
・ショッパー(地域新聞)の配布(ポスティング)
・ショッパーにチラシの折り込み
・もの作り
などの活動があります。

毎回スタッフがメンバーさん一人ひとりに、今日はどんな活動がやりたいかを聞いていきます。
陽射しがポカポカだったこの日は、ショッパーの配布を全員が希望しました。

出かける支度をしながら、新しいメンバーさんにスタッフが活動内容などを説明します。みんなで車に乗って、配布を担当する地域に到着です。

ポスティングはそれぞれのペースで、朝の散歩のように、心地よい時間を共に過ごしています

私は、新しいメンバーさんと同じチームに合流し、ゆっくりとたわいもない会話をしながらポスティングをしていきました。
慣れているメンバーが新しいメンバーさんに優しくアドバイスをしていくと、段々とコツを掴み、自ら率先してポスティングに進んでいくようになっていきます。私はその様子を、スタッフとして、そっと後ろから見守ることにしました。

この日は空間認知が難しくなる症状を持つ女性メンバーさんも一緒でした。段差のあるアパートに向かう時は、彼女の足元の様子を見て、私が声をかけたり手を添えたりするのを見ていたのでしょうか。

新しいメンバーさんは、その女性メンバーさんが郵便受け近くに来ると、「あっ、僕が一人でやってしまうところでした」と言って、女性メンバーさんの苦手な作業をちゃんと察して、郵便受けのフタを開けたうえで、ショッパーを入れやすいように女性メンバーさんの手を投函口まで誘導してくれました。

女性メンバーさんがポスティングしやすいように、新しいメンバーさんが優しく、工夫して見守っています

私は一人の人として、同じ認知症の仲間としても、とてもホッコリした気持ちになり、携帯電話を手にして写真に収めました。

その後、その新しいメンバーさんに、初日からとても素敵な仲間へのサポートができていて嬉しいことや、BLG!はこんな風に自然にメンバーさん同士が支え合える仲間達がいるという話をしながら、爽やかな風がココロの中に吹いてくるのを感じました。

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