老いが、恐いですか。年をとともに積み重なる「それ」に気づいていますか
《介護士でマンガ家の、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
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老いるということ。
耐え難い別れさえ、
受け容れていくこと。
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老いるということ。
動かない体に、
慣れていくこと。
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老いるということ。
人生の締めくくり。
本当の幸せを見つけていくこと。
老いるということは、
ご自身だけの年輪を
幾層にも重ねてゆく、
尊いこと。
けれど、
家族、友人、仕事、健康。
そして、
積み重ねてきた年輪の記憶。
それらを失うかもしれない、
老いの現実を思うと
足がすくみます。
なのに、なぜでしょうか?
失ってゆくものの裏に
それでも失われることのない、
「本当の幸せ」が残る気がするのは。
本当の幸せなど、
人の数だけあるでしょう。
けれど、
高齢の方のそばで暮らし、
老いた自分の心境を想像する時、
今ある生き方を見直し、
本当の幸せに、私自身を
近付けたくなります。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
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