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認知症だと趣味も諦めたほうがいいのでしょうか【お悩み相談室】

看護師の石橋さつきさんが、介護・支援活動を生かして、認知症の様々な悩みに答えます。

Q.私の母(76歳)は初期の認知症ですが、今も趣味のコーラスに週に3回参加しています。先日コーラス仲間から私に連絡があり、「最近おかしな言動が多くなっているし、心配だから休んだほうがいいんじゃないか」と言われました。母はコーラスが生きがいなので、できれば続けさせたいのですが、仲間からやんわりと参加を拒否されているようで、悩んでいます。(45歳・女性)

A.生きがいであるコーラスを続けてほしいですよね。認知症の進行を予防するという点からいっても、趣味はぜひ続けてもらいたいと思います。けれども、実際にはやめざるをえなくなったという話はよく聞きます。周囲から言われたわけではなくても、本人がみんなと同じようにできないことが苦になり、やめてしまうこともあります。

コーラス仲間がお母さんに休むようにすすめるということは、認知症に対して誤解があるのかなと思います。可能であれば、相談者がしばらくお母さんのコーラスに付き添ってはいかがでしょうか。コーラス仲間はお母さんのことを心配しているのと同時に、対応に困っているのかもしれません。相談者が一緒にいればその点は安心ですし、どのように対応すればいいのかを見てもらうことができます。また、付き添っていれば、自然とお母さんの状況を話したり、認知症について理解してもらったりする機会が出てくるでしょう。

理想としてはコーラス仲間に認知症サポーター養成講座などを受けてもらい、認知症について正しく理解してもらうことです。コーラス仲間がお母さんと同じ年代だとしたら特に、認知症はひとごとではありません。もしかしたら自分もいずれ認知症になるのかもしれないといった漠然とした不安があるからこそ、お母さんを遠ざけようとしているのかもしれません。認知症について正しく知ることで、そうした不安もなくなると思うのです。とはいえ、お母さんのために認知症サポーター養成講座を受けてほしいとは言えませんよね。相談者が受けておくと、コーラスに付き添った際に「この間認知症サポーター養成講座を受けてみたんです」と話題にしやすく、興味をもってもらえるかもしれません。

お母さんのコーラスに毎回付き添うのは、大変なことだと思います。コーラス仲間が認知症について知ることで、相談者が付き添わなくてもお母さんを受け入れてくれるような雰囲気が生まれるといいですね。

【まとめ】認知症の母に趣味のコーラスを続けてほしいのに、仲間から休むように言われるときには?

  • 可能であれば家族がコーラスに付き添う
  • 家族が付き添う中で、お母さんの状況を話したり、認知症について理解してもらったりする機会をつくる

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