ユニバーサルデザインじゃない けれどあふれる主催者の思いと気遣い
《介護士でマンガ家の、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》
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認知症カフェ店主の、みどりさん。
トイレに行ったはずの、吉岡さんが、
戻ってこないと思ったら…
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認知症があってもなくても、
誰がそうなのかわからないまま、
一緒にいることは難しいのかな?
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吉岡さんから、教えられたこと。
それはまた、みどりさんの手から、
誰かの居心地につながっていく。
コロナ下で、開催頻度は減っていますが
認知症カフェのように、
ハンデの有無に関わらず誰でも気軽に過ごせる場に、
私も参加する機会があります。
それらの
「誰でも気軽に過ごせる場所」は、
民家に近いつくりで、いわゆる
ユニバーサルデザインとは、
程遠いつくりでした。
それでも、
誰でもつかえるように、
という主催者の方々の気遣いが
あふれていました。
ユニバーサルデザインを取り入れた完璧な施設を見るよりも、
私にとっては、
自分と地続きの「生きやすい日常」を
想像するきっかけとなりました。
以前の私はそれらの場所を、
特別な場所として、
とらえていましたが、
思えば、
私たちの日常のほうが、よほど
限られた人しか使えないつくりの
非日常なんだ、と気付きました。
どなたも私も、
「こんなハンデを持ってます」と
わざわざ周りに伝えることなく、
自然にいられる日常を願います。
《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》
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