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母と妻の認知症W介護 「母を施設に」の助言が心苦しい【お悩み相談室】

寄り添って散歩する母娘のイメージ

若年性認知症コーディネーターの中村益子さんが、介護・支援活動を生かして、認知症の様々な悩みに答えます。

Q.妻(55歳)が若年性認知症と診断されました。自宅には妻が面倒をみてくれていた認知症の実母(80歳)もいて、日中は母と妻だけなので心配しています。ケアマネジャーからは母を施設に入居させることを提案されましたが、母だけを追い出すようで心苦しいです。(56歳・男性)


A.まずは、お母さんの面倒をみてくれている妻の意向を聞いてほしいと思います。そしてその意向を尊重してあげてください。もし、「自宅で面倒をみたい」ということであれば、ケアマネジャーに相談して、在宅で利用できる介護保険サービスを増やすなどしてカバーできるのではないでしょうか。日中は心配ということなので、お母さんと妻が一緒にデイサービスに通うという方法もあります。デイサービスは高齢の利用者が多いので、妻はなじみにくいかもしれません。デイサービスに相談すれば「お母さんの面倒をみる」「施設の手伝いをする」といった立場で利用することもできると思います。

もし妻が「これ以上、お母さんの面倒をみるのはつらい」というのであれば、ケアマネジャーが提案しているように、施設への入居を検討するのがいいと思います。ケアマネジャーが今の妻の負担を考えて、施設への入居を提案しているのかもしれません。実際に排泄(はいせつ)の問題などがあると、若年性認知症の妻がお母さんの面倒をみるのは厳しいでしょう。施設に入居すると介護する側に余裕ができて、より良好な親子関係になることもよくあります。入居してもこまめに面会に行くなど、息子としてできることはあるはずです。

施設への入居を家族だけで決断するのは、実は難しく、ケアマネジャーが現状を見たうえで背中を押してくれているのかもしれません。相談者には、お母さんを入居させることを負い目に感じないでほしいと思います。

【まとめ】認知症の母の面倒を見ていた妻も認知症になり、母の施設入居を迷うときには?

  • 妻の意向を聞いて尊重する
  • 在宅で面倒を見る場合は、サービスを追加するなど、妻の負担を軽減する
  • 施設に入居させることを負い目に感じない

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