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夜中に大声を出す認知症の父 施設にやんわり利用を断られ【お悩み相談室】

ベッドに横たわる男性

介護支援専門員(ケアマネジャー)の長澤かほるさんが、介護経験を生かして、認知症の様々な悩みに答えます。

Q.レビー小体型認知症の父(78歳)と同居しています。以前は、夜中になると大声を叫んで暴れ出すことが多かったのですが、最近は薬が効いているようで、おさまっています。ただ、ショートステイを利用すると、やはり夜中に大声を上げてほかの利用者たちを起こしてしまうそうで、スタッフの方から相談されました。やんわりと利用を断られているように感じているのですが、せっかく慣れてきたのでやめさせたくありません。(51歳・男性)

A.睡眠中に大声を出したり、暴れたりするのは「レム睡眠行動異常」というレビー小体型認知症にみられる特徴的な症状の一つです。「レム睡眠行動異常」は、眠りが浅くなるレム睡眠時に大きな寝言を言う、叫ぶ、わめく、暴れる、体を動かす、起き出して行動する、などの症状が出ます。ご自宅では薬が効いているようですが、ショートステイでは慣れない環境によって、自宅にいるときよりも眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなったりして、薬の効き目が悪くなっているのかもしれません。まずは主治医に相談してみてください。ショートステイを利用するときだけ薬の量を調整することで、症状を抑えられる可能性もあると思います。

また、ショートステイ先でもお父さんが安心して眠れるように、できるだけ自宅と近い環境を整えることも、家族ができる対策です。睡眠に関する環境が大事なので、例えば持ち込める範囲で、家で使っている寝具や枕を持参するといった工夫ができると思います。

スタッフもどうしたらよいのか、悩んでいると思うので、相談すれば協力してくれるのではないでしょうか。今利用しているショートステイをやめさせたくないということなので、施設のスタッフと協力しあって睡眠環境を整え、工夫できると、スタッフとよりよい関係をつくれると思います。自宅での寝る前のルーチンがあれば、それをショートステイでも実践してもらえるように、スタッフに相談できるといいですね。「やんわりと利用を断られている」ように感じてしまいがちですが、それほどネガティブに考えなくてもいいと思いますよ。

【まとめ】レビー小体型認知症の父がショートステイのときだけ夜中に暴れるときには?

  • 認知症の主治医に相談して、ショートステイ利用時だけ薬の量を調整してもらう
  • ショートステイ先でも自宅と同じような睡眠環境を整える

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