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介護施設で、あるある探検隊♪

カラオケ我慢?! コロナで施設はどないか聞いてみた あるある探検隊の活動報告38

「あるある探検隊」のリズムネタで一世風靡したお笑いコンビ・レギュラーの松本くんと西川くんは、いま全国の介護施設をまわって、お年寄りたちを笑顔にする活動をしています。ところがここ数ヶ月、世界的に蔓延する新型コロナウィルスの影響で、思うように活動ができません。感染防止のため家族の面会もできなくなった利用者たちのストレスも心配です。

そこで今回は、昨年9月に2人が介護レクリエーションで訪れた、ケアハウス「慈恩」とデイサービスセンター「サルビア」(ともに静岡県富士市)などを運営する社会福祉法人「岳陽会」の常務理事・遠藤聡さんとオンラインでつなぎ、現場のお話をうかがいました。

レギュラーと介護施設のみなさん
写真は毎回、レギュラー公式マネジャーがスマホで撮影した「渾身」の1枚です!

遠藤さんは、数年前まで静岡のテレビ局に勤務していた元“業界”の人。現在は、富士市内で特別養護老人ホームやケアハウス、デイサービスセンター、地域包括支援センターなど10施設を運営する「岳陽会」の常務理事として、介護業界に深くかかわっている。入居者や利用者たちを楽しませる介護レクリエーションにも熱心で、施設でさまざまなイベントを企画する仕掛け人でもある。昨年9月にレギュラーの2人が呼ばれて介護レクリエーションをおこなったのも、その一環だった。

2人が遠藤さんに会うのは、そのとき以来。
コロナ自粛が続くなかで、施設のみんなどんな生活をしているんだろう——。まずは2人がいちばん気になっている点について聞くと、画面の向こうから意外な答えが返ってきた。

松本くん 遠藤さん、お久しぶりです! その節はお世話になりました。

西川くん あのときは、まさかこんなことになるなんて……。施設での生活はコロナ前とだいぶ変わったんじゃないですか?

遠藤さん 施設内での行事は中止や延期になりましたし、特養やケアハウスでは2月18日から入居者さんの家族でも面会を遠慮してもらっています。ただ、施設内での生活に限って言えば、実はそれほど大きな変化はないんですよ。静岡県は感染者が73人(5/21現在)。緊急事態宣言も早く解除されて、都心部とは少し緊張感が違うということもあるかもしれません。

松本くん ほお。ふだん通りにやってはるということですね。

遠藤さん もちろん、必要な対策をしたうえでの話です。施設内の消毒や換気は徹底していますし、利用者さんたちの検温をこまめにして、スタッフも手洗いやマスク着用の徹底、出勤時の検温など念には念を入れた予防をしています。ただ、介護施設はふだんからインフルエンザなどの対策を徹底しているので、いつも通りと言えば、いつも通りですね。

西川くん へえ、それはちょっと安心しました。入居者さんたちのストレスは大丈夫かと心配していたもので。

遠藤さん 入居者さんや利用者さんのなかには、世の中の変化を敏感に察知して、落ち着かなくなる方もいます。だから施設のなかでは、できる限りいつも通りを心がけるようにしているという面もあるんです。むしろ面会が制限されていることで、ご家族のほうが寂しく感じているかもしれません。

松本くん デイサービスも同じような状況ですか?

遠藤さん デイサービスも変わらず営業を続けています。デイサービスに行くことをストップしているご家庭もありますが、いまのところ、目に見えて利用者が減っているという感触はないですね。

松本くん レクリエーションはどうしているんですか?

遠藤さん 施設内のレクリエーションも、ふだんからスタッフが工夫しながらやってきたことですから、なんとかやっています。ただ、入居者さんたちがみんな大好きなカラオケは禁止。マイクは、どうしても飛沫が飛ぶことになるので。
おふたりの介護レクの活動はどうですか?

西川くん 3月を最後にすべてキャンセルです。講演会もいまのところないですね。

遠藤さん うちの施設でも、昨年9月におふたりに来てもらったように、今年はいろいろな介護レクリエーションのイベントを企画しようと思っていたんですが、それがぜんぶできなくなっているのは残念です。

西川くん 緊急事態宣言は徐々に解除されていっているとはいっても、コロナの脅威がなくなったわけではないんで、しょうがないんですが……。

遠藤さん 怖いですよね。いまは感染者が少なくても、静岡だっていつ爆発するかわからない。だから準備はしてますよ。万が一、静岡で感染者が増えたときのシミュレーションや、拡大させない準備などですね。ウイルスの侵入をどうやって食い止めようかというのが、いまの大きな課題です。

松本くん めったに手なんて洗わなかった僕なんかと比べると、スタッフのみなさんはコロナ以前から、手洗い・うがいを徹底するのが当たり前。それだけでも尊敬するのに、いまはそれ以上の対策が必要ですからね。コロナは怖い!

遠藤さん 松本さん、手洗いしましょうよ(笑)。

松本くん はい! いまはしょっちゅう洗ってます。

遠藤さん 施設を運営していてつくづく思うんですが、入居者さんや利用者さんに必要なのは、やっぱり「笑うこと」と「歌うこと」。カラオケはできなくなりましたが、マイクを使わないで歌を歌ったり。あと、レギュラーの2人が来てくれたときにやってくれた、アヒルの?(画面の向こうで口をとがらせて)こういうゲーム、あるじゃないですか。あれもやっていますよ。

西川くん え? 僕らのオリジナルゲーム「満腹アヒルの大冒険」(唇を指でアヒルのように引っ張りながら食べ物の名前を言ってもらい、それを当てるゲーム)もやってはるんですか?

遠藤さん やってます、やってます。(口をもっと尖らせて)こういうゲーム(笑)。

松本くん ひゃー、その唇に吸い込まれそうや(笑)。僕らも、ぜひ施設でも試してほしいと思ってレクリエーションをやっているんで、実際に僕らのゲームをやってくれてるとは感動です!

<オンラインミーティングを終えて>

西川くん 松本くん、久しぶりやけど、どうしてる?

松本くん どこにも行かないでほとんど家にいるからな。余暇を楽しむって、どれだけ大変か身に染みたわ。海外ドラマを一気見してもせいぜい2日。ゲームをやり倒してもせいぜい3日。外に出たらあかんと言われるのが、こんなにつらいとは……。施設にいるおじいちゃんやおばあちゃんって、こういう気持ちなんやろうなって。

西川くん 介護レクリエーションっていうのは、施設に入ってる人生の先輩たちの余暇をどれだけ楽しいものにできるか、ということだからな。言うのは簡単だけど、そんなに簡単なもんやない。こういうときこそ、介護レクの必要性を感じるわ。いろんなジャンルの人が施設にやってきて、いろんな刺激があることが重要や。

松本くん 施設に入れば毎日余暇で、自分のやりたいことをいくらでもできるし、うらやましいわ、なんて思ったこともあったけど、自分がそうなってみると精神的にも大変だということがわかった。これからは、もっとおじいちゃん、おばあちゃんたちを楽しませるで〜と、気持ちを新たにしたな。

西川くん 遠藤さんの話だと、東京との温度差はあるにしても、施設のなかはふだん通り落ち着いているということで、ほんま何だか安心したわ。

松本くん 考えてみれば、もともとインフルなんかのウイルスには、誰よりも気をつけている場所やからね。それに、まだ面会禁止になって3カ月程度ということもあって、寂しがっている入居者さんは少ないと言うんで、ホッとした。

西川くん ただし、カラオケ禁止っていうのは、けっこう痛いと思うで。いままで全国のいろんな施設を訪問したけど、必ずと言っていいほどあるのがカラオケ機器やもんな。その代わり、スタッフさんたちが介護レクをがんばってる姿が目に浮かぶわ。 

松本くん ま、ここはマイクを使わずに「生歌」で我慢してもらうしかない。あとは、僕らのオリジナルゲーム「満腹アヒルの大冒険」。いまもみんなで遊んでくれていると聞いて、ほんま嬉しかったわ。ここは特別価格で、1回やるごとに格安の100円で……なーんて、著作権フリーなんでどんどん楽しんでもらいたいね。あ、著作権フリーは、いまのところ、の話やで(笑)。

西川くん 松本くん、それはたしかにアル……いやいや、アコギやなあ!

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