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今日は晴天、ぼけ日和

「気持ちを通わせたい」その思いが 言葉のない会話を可能にする

《介護施設で働く漫画家、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》

「まつかぜのと そうしたら ななななな」「あなからす きのうのこと なくなってしまう びっくりした」認知症が進み、会話を組み立てるのが難しくなってきた、本郷さん。

本来おしゃべり好きな本郷さんは、何気ない会話を求めて、介護士のもとへやってきた。さあ、この介護士はどうやってコミュニケーションをはかる?

二人の会話は、まるで、音楽のよう。

介護士は、言葉だけで会話を交わさない。本郷さんの、呼吸、まばたき、表情の強弱などをよく観察する。そして本郷さん独自のリズムに合わせて、時に同じ動作を真似て返しながら、会話していく。

耳をすませ、息をあわせて、響きあう心。

通じあいたい、という願いが二人をつなげる。

よく知られている対人援助技術に、
ミラーリングという技法があります。

ミラーリングとは、援助者が相手の言葉や動作を、鏡にうつすように真似ることで、共感と信頼を生むコミュニケーション法です。

もちろん実際には、動作をそのまま返しているだけでは不自然なので、マンガの介護士のような方法をとるわけです。

ミラーリングは言葉に頼らないコミュニケーション法のため、
本郷さんのように、言語が不自由な方との交流に生かせます。

技術は、たかが技術にすぎませんが、
介護者に、相手を知りたい、気持ちを通わせたい、という強い意志がある時、

ミラーリングは心を通わせる一助となります。

《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》

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