今日は晴天、ぼけ日和

想像力を巡らせて異食を止める 思いやりをもって心に届く声かけを

《介護施設で働く漫画家、高橋恵子さんの絵とことば。じんわり、あなたの心を温めます。》

『横田さんがちり紙を口にいれてる!」

介護スタッフの皆川さんは、大きな声を出しそうになった。
早く、横田さんにちり紙を吐き出してもらわなければ!

「横田さんお願いです。僕、おやつを間違えちゃって。上司に叱られてしまうので、そっと口の中の物を出して頂けませんか?」

けれど 皆川さんは、深呼吸して平常心を取り戻した。
長年サラリーマン勤めをしていた横田さんの、心に届くような声かけをした。

「あんたの為なら仕方ないね。」『横田さん、ありがとうございます。』

横田さんも、皆川さんも、
お互いを思いやってるからこそ。

認知症状の中に、食べられないものを口に入れる「異食」という行為があります。

起きた場合、その対応は、
ご本人の性格や 身体状況に応じて変わってきます。

短い言葉で「出して」とお伝えしたほうが、安全に取り除かせてもらえる方も いらっしゃいますし、

「歯の具合を見せてもらえますか?」と
口を開けて頂き、その隙に 異物をそっと取り除かせてもらった方もありました。

どれも介護者が、
ご本人を理解した上で、想像力を巡らせたからこそできた対応です。

異食が起こると つい慌ててしまいがちですが、スタッフの皆川さんのように、
ご本人に添った、対応を探したいものです。

《高橋恵子さんの体験をもとにした作品ですが、個人情報への配慮から、登場人物の名前などは変えてあります。》

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