認知症の母が喜ぶ毎日ごはん

私を救う小さなメモ 思い出すエビフライ 認知症の母が喜ぶ毎日ごはん

フードライター大久保朱夏さんが、認知症のお母さんとの生活のなかで見いだしたレシピを紹介します。「私は3個」。エビフライのしっぽをパクリと食べて数をごまかしていたこと、母は気付いていたのかも。

※料理は普通食です。かむ力やのみ込みに配慮した介護食ではありません

エビフライ

母が老人ホームに入居した後、実家はそのまま空き家になっている。ときどき私が風入れとゴミ捨てに行く。それ以外にも、年に数回は、管理組合の手続きやベランダなどの補習工事の立会いもしなくてはならない。
実家にあった食卓とイスは母が施設の自室で使っている。狭い家なので、食卓がなくなるだけで空虚だ。テレビ台に介護中に母が書いてくれた「世話をかけています。これからもよろしくお願いします」というメモを置いてある。このメモを見ると、母が元気であれば、きっと今もそう思ってくれていると信じることができ、心が落ち着く。
がらんとした実家の台所を見て思い出すのは、毎日がんばって料理を作ってくれた母のエプロン姿。揚げ物もいとわず、エビフライ、豚カツ、オニオンリングフライもよく作ってくれた。私と妹は皿に残ったエビフライの尾の数を見比べて、どっちが多く食べたか他愛もないケンカをした。私はエビフライの尾まで食べて、よく数をごまかした。そんなことを思い出し、母にエビフライを作ったこともあった。母の記憶にはもう残っていないのだろうが、私が一人語りする思い出話には、じっと耳を傾けてくれた。

エビフライ

エビフライは腹側に浅い切り目を入れておくと形よく揚がります。タルタルソースのレシピも紹介していますが、もちろん市販品を使って手軽にしても構いません。尾の部分に水があるとはねるので、揚げる前にペーパーで拭いてください。

材料 2人分

無頭殻付きえび 6尾(1尾15g程度)
塩・こしょう 各少々
小麦粉 適量
卵 1個
パン粉 適量
揚げ油 適量
キャベツのせん切り 適量

◆タルタルソース
ゆで卵(あらみじん切り) 1個
玉ねぎ(みじん切り) 大さじ1
きゅうりのピクルス(みじん切り) 1本
パセリ(みじん切り) 大さじ1
マヨネーズ 大さじ1と1/2
塩・こしょう 各少々

作り方

  1.  えびは殻をむいて背わたを除き、腹側に浅い切り目を3本ほど入れ、キッチンペーパーで水けを拭き、塩、こしょうをふる
  2.  小麦粉をまぶし、溶き卵にくぐらせて、パン粉をまぶしつける。170度に熱した揚げ油で揚げる
  3.  器に盛り、タルタルソースの材料を混ぜ合わせてキャベツとともに添える

あわせて読みたい

この記事をシェアする

この連載について