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介護施設で、あるある探検隊♪

ラスト10分!レク拒否婦人に感動の奇跡 あるある探検隊の活動報告27

「あるある探検隊」のリズムネタで一世風靡したお笑いコンビ・レギュラーの松本くんと西川くんは、いま介護施設をまわっています。テレビや劇場の一般客相手と違って、施設の利用者さんたちを笑顔にするのは、やっぱり難しい! そんな2人が見つけた、今日の介護現場の“あるある”は――。

レギュラーの松本さん(左)と西川さん(右)
写真は毎回、レギュラー公式マネジャーがスマホで撮影した「渾身」の1枚です!

レギュラーの2人がまだ、介護レクリエーションを始めて間もないころのこと。利用者のなかに、まったく参加しようとしない90歳ぐらいのご婦人がいた。しかも、会場が盛り上がるたびに独り言のように“文句”が聞こえてくる。

たとえば、認知症予防の効果も期待される定番レクリエーションの「トントンサスサス」。
片方の手をグーにして太ももの上でトントン。もう片方の手は、パーにして太ももをサスサスとさする——という、あれだ。

レギュラーの2人が「かたつむり」の童謡を歌いながら、トントンサスサスで会場を盛り上げていても、当のご婦人は「ふん。何がおもしろいの」と不機嫌なご様子。

2人のオリジナルレクリエーションで、いつも大ウケの「満腹アヒルの大冒険」(唇を指でアヒルのように引っ張りながら、食べ物の名前を言ってもらい、それを当てるゲーム)を始めると、今度は「わかんないわ!」と言って、プイと横を向いている。

乗り気がしない利用者には、決して無理強いをしないのが介護レクリエーションの基本。この日も文句にツッコんだりせず、気になりながらも粛々とレクリエーションを進める2人だったのだが——。

この日の最後のレクリエーション、「ギャグ体操」(思い出の有名ギャグのジェスチャーを、あるある探検隊のリズムに合わせてやる、レギュラーのオリジナル体操)が始まると、ご婦人の表情が一変。いきなり「ハハハハ!」と大笑いを始めたのだ。

「あるある探検隊! あるある探検隊! ガチョーン、ガチョーン」

みんなが揃って体を動かすギャグ体操に表情がゆるみ、やがて自分も笑顔でリズムを取るように。

笑いのきっかけは、ある時突然やってくるらしい。
その笑顔に、胸を熱くしたという西川くん。とにかく次から次へとネタを繰り出す自分たちのスタイルは間違っていなかったと、改めて思いを強くするのだった。

松本くん いやー、あれはほんまにラスト10分の奇跡やったね。

西川くん 最後の10分でいきなりだったもんな。あ、変わった!って。パチンッと電源が入る音がしたわ。

松本くん 勝手な解釈で言えば、たぶん、間違えるのがイヤだったんやろうね。プライドが高かったり、性格やったりで、単なるレクリエーションといっても自分が間違えて恥かきたくない。そういう利用者さんはけっこういるからな。できそうにないことはやりたくない、という心情や。あの日のご婦人も、そんな気持ちがいろいろ混ぜ合わさって、“怒り”に変わったと思ったんやけど。

西川くん ラスト10分の「ギャグ体操」は、単純なリズムネタだからね。みんなでリズムに乗ったバカバカしい動きが、笑いのツボにはまったんじゃないかな。

松本くん ほんま、何度もトライし続けていれば、人の心を動かせることがあるって、あのプンプン顔から突然笑顔になったご婦人を見たときに思ったね。

西川くん 突き通せば、面白くなるってことや。こんなのやりたくないって、いわば“食わず嫌い”みたいなもんで、なんかの拍子にみんなの輪に入ってみたら面白くなる。そんな力が介護レクリエーションにはあるね。

松本くん 実は僕も、介護レクリエーションに“食わず嫌い”を克服させてもらったひとりや。なんだと思う?

西川くん あー、クッキーのことね。それ、本当の食わず嫌いやん。

松本くん なぜか昔からクッキーが苦手でね。粉っぽいし、ボソボソするし。それが最近、あまりにお腹が空いていたから、施設で出してもらったクッキーを食べてみたら、これが美味しくて。子どものころ、保育園や学童保育でオヤツに出たボソボソのクッキーとは、わけが違う。やっぱり缶入りのブランド菓子はええなあ。繊細で、かと思えばキャラメルでコーティングされていたり——。これも介護レクリエーションをやるようになったからこそ、わかったことやね。

西川くん なんや長々話してると思ったら、貧乏人のグチやないかい! それならついでに言わせてもらうけど、楽屋に入ってすぐに置いてある菓子をカバンに入れるの、やめてくれへんか? 僕がチョコ大好きなのは知ってるやろ。先に僕の目を通させてくれないと困るわ。

松本くん え、見てた? この前もこの話で揉めたけど、僕の好きな菓子を先に確保してるだけやん。お菓子のことで、コンビ解散なんてしたくないしな。幸い僕はチョコにこだわりないから、そのルールでええよ。

西川くん て、僕らの介護活動の話とまったく関係ないやん。松本くん、もしかして、このコラムのネタが思いつかなくて、こんな話をしてるんやろ!

松本くん いやいや西川くん、何事も突き通せば面白くなってくるんやで。

西川くん 松本くん、それはたしかに……アルわけないやろ!

(編集協力/ Power News 編集部)

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